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「ダメな生徒なんかいない、ダメな指導者がいるだけです」

「ダメな生徒なんかいない、ダメな指導者がいるだけです」。本当かな?

「ダメな生徒なんかいない、ダメな指導者がいるだけです」“意志あるところに道は開ける”ということを教えてくれる映画ですが(ビリギャル)、どのような指導者と出会えるかも、人生を大きく左右する要素ですね。(名倉潔)


  本当かな。この方、実際に生徒指導をされたことがないのだろうと思う。

 私の塾ではチャットツールを使って、家庭学習中の疑問に無制限で答えている。勉強熱心な中学生の子は5科目にすいて、何でも、いつでも質問できるので喜ばれている。高校生の子も英語と数学で煮詰まったら質問できるので便利みたい。

 ところが、勉強嫌いな子の中には塾に通う三年間一度も質問をしてこない子もいる。


 塾には主要大学の過去問が北海道から沖縄まで用意してある。県立高校の過去問も北海島から沖縄まで準備万端です。だから、どの大学を受ける準備もできる。高校受験準備もいくらでもできる。

 ところが、いいかげんな子はそれだけの過去問は必要ない。

 それどころか、教科書を写せば済むような教科書準拠の問題ばかりやって

「私はスラスラ解ける。どの高校でも合格できるよね!!」

 と、悦に入っている。保護者も勘違いして

「わが子は天才かもしれない」

 と、誤解する。

 そういう生徒の多くは、ちっちゃいプライドがあって

「そのような勉強方法では難関校に合格できないから、過去問をやってみて」

 といったアドバイスを受けつけない。ヘタに口にすると、自分の勉強法が否定されたように感じじて保護者に言いつける。すると、保護者が激怒してすぐ塾をやめさせる。

 本当に手の施しようがないんですね。

 だから、私は放置しておく。大海を知らない「井の中の蛙」には何を言ってもムダなんです。

 チャットツールを使って無制限に質問を受け付けると、莫大なエネルギーが必要。全国の大学、高校の過去問を用意するのは莫大な費用が必要。でも、勘違い生徒にはそのエネルギーも経費も意味をなさない。本当にもったいない。

 私の塾だけではない。そんな生徒には、どの塾も目をかけないしお金もかけない。新人講師かダメ講師をあてがって授業料さえ納めてもらえればいいと考える。塾講師の間では「お客さん」と呼ばれています。

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