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日本の東アジア最劣等国化を防げ

日本の東アジア最劣等国化を防げ 

■ このままではアジアの2等国に転落する 

「戦後78年」日本の教育が衆愚劣化の傾向を強めた一大転機は、1978年度から導入された「共通一次試験」導入と「国立一期校・二期校」区別の撤廃あたりにあるでしょう。  私自身この初期の世代なので「使用前」「使用後」を知っており、使用後、明らかに日本の学力は崩壊していきました。

  東大、京大などが並ぶ一期校に対して医科歯科、外語、横国大など「二期校の雄」も居並ぶなか、全体の趨勢として「二期校は滑り止め」的な階層分化が見られる、として国立大学は一列並びにさせられた。

 電子計算機内部の演算は大半が「行列算」でできているのに、その行列は高等学校の数学で教えなくなってしまった。

  いまや「文系進学コース」に進むと大学受験以前に、行列算の一番の基本である「ベクトル」も習わなくなり、日本は「情弱国家」への衰退路を一目散にひた走っている。                                伊東 乾

 私の下の学年から「共通一次」が導入されたので、私たちは最後の「国立一期校、二期校」世代です。生徒数も多かったので競争は今より激しかった。私は受験日の5日前にノイローゼと診断されて入院騒ぎを起こすほどだった。

 だから、私の母校の名古屋大学も今より合格するのが難しかった。塾講師となって後輩を何人か送り出した。つまり、名古屋大学の合格者を何人か指導させてもらった。正直言うと

「私の時代なら合格できなかっただろうなぁ」

 と思う子たちだった。

 だから、今は京大受験生を指導させてもらうことにした。もし、日本が江戸時代のように鎖国状態なら問題はないのかもしれない。低いレベルの指導内容で、科学技術が遅れていても誰も気づかない。

 しかし、今は国際化の時代だ。落ちこぼれた子に配慮して、指導内容を誰にも無理なく理解できる低い水準にしたら、国際的な競争の敗者になってしまう。それは全国民が等しく貧しくなり劣等国化していくことを意味する。


 日本は「落ちこぼれ」対策ばかりに力点を置いて、学園ドラマでも落ちこぼれをヒーロー扱いをする珍しい国だ。しかし、今こそ「浮きこぼれ」対策に力点を置いて、学園ドラマでも秀才くんをヒーローにすべきなのだ。

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