「京大医学部4名合格講師」による受験対策講座(197)
「京大医学部4名合格講師」による受験対策講座(197)
サッチャーが持っていた「愛されない覚悟」
広報補佐官のインガムはサッチャーの政治家としての資質として、思想的確信、道徳的勇気、一貫性、仕事をやり抜く鉄の意志に加えて、「愛されることを望まなかったこと」を挙げている。この最後の点は、筆者が言う知的真摯さを異なる角度で表現したものである。
私は日本生まれの日本育ち。小学校から大学まで全て公立、国立という田舎者です。最近、田舎暮らしを持ち上げる記事も多いですが、早まって移住してしまうと田舎の濃密すぎる人間関係に合わず都会にもどる人も多いそうです。
私もアメリカの中学校で教師をしていたので、日本の「同調圧力」の強さを自覚させられました。日本は聖徳太子の昔から“和を以て貴しとなす”という世界でも稀にっ見る同調圧力が強い社会なんですね。
大学は別にして、小学校から高校まで「クラス」という単位に合わせるように強制されます。部活も自由ではなく「強制」です。これは、つまり
「個人の趣向や信念を曲げてでも周囲に同調しろ」
ということです。
自分の信念を貫き通すより、周囲に同調して愛されることを優先する人が「良い人」と評価される。弱い子は、周囲の流れ―空気に合わさないとイジメにあって身の危険もあるわけです。
私は大学を卒業してから、アメリカに渡り、英検1級にチャレンジし、50代で京大を7回受けて出題傾向を調べ、チャットワークを使って通信生と質疑応答をしています。それくらいの些細な「違い」も日本社会は許さないんです。
京大を受けていたら
「お前のようなジジイが合格したら若者1名の芽をつぶすだろうがぁ!」
と強迫メールが来たりしました。アメリカならそういったチャレンジ精神は称賛されるのでしょうけどね。
日本は昔から閉鎖的なムラ社会なんです。
高木繁美
「高木教育センター」塾長。名古屋大学卒業後、アメリカユタ州のローガン中学校で教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。