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「マイノリティ」と「マジョリティ」

 先日、名古屋のある専門学校で英語の授業中にMOF(Ministry Of Education)という語が出てきた。学生たちが知らない単語だったので

「以前、“ノーパンしゃぶしゃぶ事件“で有名になっただろう?」

 と発言したら

「知らない」

 と言う。そして、それがどのような事件か知らないと言う。説明してほしいと言う。

 そこで、

「これはNHKのアナウンサーも全国放送で口にし、新聞の見出しにもなった放送禁止用語ではないですからね」

 と、念を押して説明しておいた。

 すると、翌週に教務から呼び出され説教された。2名の女子からクレームが出たそうだ。20人指導していたので1割。

 一部のマイノリティの過激な意見のみが尊重される嫌な時代になった。多数の学生は何とも思っていない。少なくとも教務に訴えるレベルの問題とは思っていない。

 しかし、教務は賛否拮抗した議論にしてしまう。 言ったもん勝ち。その結果、この世のなかの大多数にとって議論したいトピックが禁止される。

 これって、おかしくないか?

 ブラック校則と呼ばれる世界的に見たら異常なルールがある。少数のおかしな服装、髪型をする生徒を抑えるために、大多数の好きな服装や髪型をする自由が奪われている。

 明らかにおかしいでしょう。

「少数意見を大切に」というのが行き過ぎて、多数派の表現の自由が暴力的に抑えられるのは民主主義の崩壊に至る道だと思う。

  私の勤務していたユタ州のローガン中学校は制服など無かったし、パーマをかけるのも化粧をするのも自由だった。アメリカは自由の国なのだ。

 日本の学校の様子を写真で撮ってアメリカの中学生に見せたら

「これは刑務所か軍隊か?」

 と尋ねられた。日本の学校は、どちらかというと北朝鮮や中国のような権威主義の国の学校に近いことを自覚してみえるだろうか?


 ありとあらゆる方法を使って生徒を監視・管理するのが当たり前だと思っている教師が多すぎる。教育委員会も文科省も同じスタンスだ。出来るだけ生徒の自主性をつぶそうとする。

 セクハラが何か議論することもなく「空気を読め」。何が生徒のためになるか議論することもなく「校則はルールだ。ルールに従え」。そして、その全体主義的な空気を読めなかったり抵抗しようとすると徹底的に叩く。日本は恐ろしい社会に落ちぶれてしまった。

 日本は経済的に後進国なみに落ちぶれつつあるけれど、そのずっと前から社会が落ちぶれていた。最初は若者の反乱だった。学級崩壊と騒がれた。そして、イジメ。モンスターペアレントが登場して、公務員の先生方は管理教育を徹底していった。

 そして、訳の分からないブラック校則が定着し、社会ではブラック企業が広がっていった。もうそろそろ気づくべき。今回も、学校の改革から始めるのがいい。

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