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マーケット|日銀、新任の小枝審議委員はタカ派。6月会合に影響ありか

日銀・氷見野副総裁は「追加利上げへの足場固め」へ

ストリート・インサイツの経済アナリスト・安田佐和子さんが為替市場のイベントを解説してくれる「イベント・インサイツ」。週初に更新しています。動画版はYouTubeでご覧ください。


氷見野副総裁の講演、どう読むか

今回は日銀追加利上げの動向です。

氷見野副総裁、利上げへ向け足場を固める

氷見野副総裁は1月30日の講演で利上げへ向けて足場を固めるような発言を行いました。

注目ポイントは2つ。ひとつ目は需給ギャップがマイナス1%前後の推計値について「過去の強い緩和時期に引きずられているのではないか」と発言しました。

過去の強い緩和時期に引きずられていないのであれば、足もとの需給ギャップのマイナス幅は縮小する、あるいはプラスに転換するとみられ、追加利上げの正当性を強めるものというふうに捉えられます。

ふたつ目の発言は、「IMFによればこれまでのところ家計消費や設備投資に対する利上げの影響はずいぶん抑制された」というものです。

こちらも日銀の追加利上げを正当化する内容であり、とくに1月27日の「DeepSeekショック」で株安になった直後の発言であることを踏まえれば、「日銀の追加利上げ路線が普遍である」ということを強調したと読み取れます。

日銀の審議委員、「ハト派が退任、新委員はタカ派」

もうひとつ日銀のビッグニュースといえば、3月に退任する安達審議委員の代わりとして早稲田大学の小枝教授が任命されたことです。小枝教授といえば利上げ支持派、しかも財政規律派として知られています

日銀といえば2024年6月に国債買い入れの減額を決定しましたが、今年6月の会合でその中間評価を行ないます。財政規律派の小枝教授が審議委員に就任すれば、財政の観点から国債買い入れのさらなる減額などが議論されてもおかしくないと考えられます。

そうなると日本の金利の上昇圧力につながり、ドル円に影響を与えるのではないでしょうか。以上、今週の経済指標「イベント・インサイツ」、安田佐和子がお届けしました。どうもありがとうございました!

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