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マーケット|「日銀、5月利上げ」も浮上。「実態的にはプラス」が非常に重要な理由
ストリート・インサイツの経済アナリスト・安田佐和子さんが為替市場のイベントやトピックを解説してくれる「イベント・インサイツ」。週初に更新しています。動画版はYouTubeでご覧ください。
「タカ派の本領発揮」だった田村講演
先週2月6日に行なわれた田村・日銀審議委員の講演は「タカ派の本領発揮」といった内容でした。
とくに需給ギャップについて「実態的にはプラス」と発言しました。これがどういう意味かというと――。
現在の需給ギャップを分解すると、労働投入ギャップがプラス=人手不足になっている一方で、設備がフルに稼働せず資本投入ギャップがマイナス=設備が過剰であると説明しています。
設備がフル稼働していないのは必ずしも需要が不足しているからではなく、人手不足によって十分に設備を稼働させられないという側面も大きい、したがって実態的にはプラスの状態にあるのではないか、と主張しました。
「実態的にはプラス」が非常に重要な理由
田村審議委員の発言は非常に重要です。
氷見野副総裁の講演(1月30日)では需給ギャップについて「マイナス1%前後の推計値は過去の強い緩和時期に引きずられてはいないか」と発言。足もとのマイナスの状況に疑問を寄せていました。
今回の田村審議委員による「実態的にはプラスの領域にあるのではないか」との見方は氷見野副総裁の疑問に対する答えだと考えられます。
小枝氏の承認で日銀はタカ派に傾くか
今月は20日にもタカ派よりの高田審議委員が講演を予定します。
需給ギャップについて田村審議委員のような「プラスの領域にあるのではないか」といった発言が飛び出すのか注目されます。
また日銀関連では今週14日にも早稲田大学の小枝教授の審議委員起用案について承認される見通しが高まっています。国民民主党が賛成に回ったためです。
小枝氏といえば利上げ支持派であり財政規律派であるという点を踏まえればタカ派の審議委員になるという見通しが強く、今後の日銀の政策運営がタカ波寄りに傾く可能性を示唆します。
「日銀、5月利上げ」を予測する声も浮上
また、13日には日本の企業物価指数の発表を予定します。前月に続き企業物価指数が強含むだけでなく、円ベースの輸入物価指数が前年比で2か月連続のプラスを迎えれば、日銀の追加利上げ観測がさらに高まることとなりそうです。
なお一部のエコノミストの間では4月30日、5月1日に開催される日銀金融政策決定会合で追加利上げを決定するとの予想も広がりつつあります。
以上、今週の経済指標「イベント・インサイツ」、安田佐和子がお届けしました。どうもありがとうございました!
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