からメシ 第15話 誓いの鍵


西片っ…来てっ…
だ、ダメだって高木さん…
お願いっ…❤いいからっ…あっ…❤
高木さんっ…大丈夫?
大丈夫…西片っ❤動いて…
高木さん!も、もう出ちゃうから離れて!付けてないんだから!
だーめ❤離さないよ❤
高木さん!ああっ!あああっ!
ビュッ…ビュッ…ピュッ…

ガバッ!
「ゆ、夢か……げっ…」
やってしまった

先日、高木さんがお泊まりに来て添い寝(もちろんそういう…変なことはしてないけど)してしまってから
高木さんと、そういう変な…事する夢を見てしまう…
今日なんて…寝てる時に出…こ、こんなの高木さんにバレたら大変だぞ。なんとかしないと!
お風呂場で洗っていると

ピンポーン

高木さんが家に来た
休日で雨の日なのに早いな
とりあえず一通り洗って洗濯機に入れたからバレないはず

「お、お、はよう高木さん」

「おはよ。西片?あれ?なんで西片慌ててるの?」

「べ、別に慌てててなんか!ない!」

「ほんとかな~なんかいつもと違う匂いするし」
クンクン

「た、高木さん?嗅がないでよ!」

「えーいいじゃん。西片のこの匂いも好きだよ?」

「…///」

「でも何で西片動揺してるのかな~」

「いや、お!思ったより早く来たから!それだけ!」

「ふーん、私はてっきり今朝、西片が私とえっちな事する夢でも見たから焦ってるのかと思ったよ」

「そ、そんな!わけ!ない!」

「私はいいんだけどなあ。ちょっと嬉しかったり…///」

「違うから!」

「あははは。そういう事にしといてあげるね。」

さて、今日高木さんが来たのは他でもない
1年前に来年は一緒に蛍を探そう、という約束をしていたので、その為にバイトも休みにしたが…

「この雨じゃ蛍は飛ばないだろうね」

そう、蛍の時期は梅雨と重なりがちなのだ。今日も雨、明日も雨予報

「ごめん高木さん、先週思いつきで釣りに誘わずに蛍探しに行ってれば」

「いいよ、先週の釣り楽しかったし!お泊まりもできたし」

「でも…こう雨が続くと…今年も見れないかもだし」

「あ、そしたらさ、私行ってみたい所があるんだよ。まだ午前中だし、一緒に行こうか。」

「雨だけど…いいの?」

「うん。」

「傘は1本だけでいいんじゃない?相合傘していこうよ」

「いや、忘れたなら仕方ないけど分かってて1本にするのは…」

「だめかな?」

「うーん…」

「しっかりひっついて西片も濡れないようにするから」

「だからそうなるでしょ!」

「恥ずかしいか~」

結局、フェリーと電車に乗り結構遠出するので、傘は2本持つ事にしようと説得した

フェリー内
「船内でうどんたべよっか」
俺は肉うどん、高木さんはきつねうどんを頼んだ

「お肉ひと口頂戴?お揚げひと口あげるから」

「え~…他の人もいるし…」

「肉うどん前まで無かったの思い出してさ、食べたくなっちゃって…ダメかな?」

「…それくらいなら…まあ」

「あーん」

「さすがに恥ずかしいから!自分で食べて!」

「あはははは!ひと口もらうね」

「はい、西片!あーん!」

「自分で食べるから!///」

「相変わらず絶好調の顔の赤さだね」

高木さんがうどんの片端をくわえ
「ほら、西片、こっちのうどんの端っこたべてよ」

「こんな人前でうどんポッキーゲームなんかやるわけないだろ!」

「あははは。人前じゃなかったらやるんだ❤」

高木さんめー!

そんなこんなでフェリーと電車を乗り継ぎ
「凄い高い塔だね。しかも金ピカ」

「ゴールドタワーって言うんだよ。千の景色が見れるって事で千景殿とも呼ばれるんだって」

「上行ってみよ?景色が綺麗なんだって。」

エレベーターで展望室へ
「ほら、西片!見て!すごい景色」

「私たちの住んでる島見えるかな?」

「うーん、どうだろ」

「あれは?」

「直島とか豊島とかかも」

「じゃあその奥のあれ?」

「どうだろうね」

「わかんないや」

「でね、西片、なんでここ来たかったかって言うとね…」
ゴールドタワーの売店に2人で並ぶ

「これ?南京錠?」

「なんでこれが欲しかったの?」

「これはね、誓いの鍵っていって、この南京錠に、大切な人同士で名前を書いて、あそこに引っ掛けて鍵を閉じるとね」

高木さんが指さした方を見ると、沢山の南京錠が掛けられている

「名前を書いた人達の絆が永遠に続くんだって」

「大切な人…」

「西片❤」

「…///た、高木さんそういう願掛けみたいなの好きだよね」

「そうだね。なんでだと思う?」

「…///」

「赤くなった」

「…それだけ、ずっと、永遠に、一緒に居たいからだよ…」

「…///」

「じゃあ買ってくるね」

「そ、そういう事なら俺も半分出すよ、2人で買った方が効果あるかもだし」

「…うん!」


それぞれお互いに、西片、高木って書いて、南京錠を吊るして閉めた

「これで蛍今年見れなくても、永遠に結ばれるね❤」

「もし今年見れなくても来年もあるし…こういうのが無くても俺はずっと高木さんを…」

「ずっと私を…?」

「…///」

「ほら、西片顔真っ赤」

「西片照れちゃってなかなか言ってくれないからやっぱこういうの必要だと思ってさ」

「ちゃんと去年の夏に言ったろ!」

「もう1回聞きたいな…///」

「…た、高木さんを…ずっと…幸せにします!…は、恥ずかしい…///」

「……///。ほ、ほら、恥ずかしいは余計だよ!もう1回!」

「勘弁してよ~」

「あははは。私も西片を幸せにするからね…///」

「よく平然と言えるよな高木さんは」

「平然とじゃないよ?ドキドキしてるよ。いつもね…」

「今日はありがと、西片っ❤」ちゅっ
高木さんが不意に口にキスをしてきた

「高木さん!?」

「西片、大好き❤」

そんなこんなで2人で電車に乗りフェリーで帰る

フェリー内
高木さんがもたれかかってくる
「あ、あんま船でいちゃいちゃは…高木さん?」
zzz…

「寝ちゃったのか…」
かわいいな…寝かしといてあげよう…

「…西片…」

寝言かな…
「全く…西片はえっちなんだから…しょうがないなぁ」

「西片っ…❤…んっ…///」

高木さんめ…
これはあれだよな、今朝俺が見たような夢…
なんて夢を見てるんだよ高木さん!!

寝てる時まで俺を恥ずかしがらせるのか…
さすが高木さんだ…

15話 完

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