からメシ 第163話 高木-takagi- 後半

ナレーター「さあはじまりました!後半戦!高木選手の快進撃は続くのか!他家が止めるのか!」

~~

後半戦が始まる
また席決めから。
もちろん私が引いたのは

高木さん「やった!西だっ。」

戒能「やっぱ西引くんだ~~」

東を引いたのが戒能さん
北を引いたのが高橋さん
南を引いたのが行長さん

そういえば部長が行長さんからは鳴きにくいって言ってたっけ。

サイコロを降って親決め
最初は私は北家からになった。
……てことは東2局と南2局が西家か

部長のいった通りしかけていこう

~~
ドラ中

高橋「ポン」中中中

高橋「ポン!」①①①

高橋(速攻で仕掛ける!手牌に四…二ほどじゃないけど五や六も無いし、高木さんに占有されやすいから使いにくいのよね。早めに切るっすわ)

四捨て

高木さん「ポン」

戒能(三と3が対子だけど③は無いし、②は捨てとくかな~~)

②切り

高木さん「ポン」

行長(②と四のポン!?)

高木さん「カン!」
西■■西

カンドラ發

ツモ發
捨て五

高木さん手牌

發發⑥⑨/西■■西
                    ②②②
                     四四四

高木さん(發は河に一枚か。あと一枚出れば)

高橋 發捨て

高木さん(よし)

~~
ナレーター「高木選手、高橋選手の捨てた發をスルー!既に二副露してますから気にせず鳴くべきではと思うのですが。ドラで4翻増えますし」

神之浦「片牌シャボ待ちにしたかったんだろうな。」

ナレーター「??片牌シャボ待ちて不利では?」

神之浦「まあ見てろ。」

~~

高木さん(⑨が重なった。聴牌)

⑥捨て

高橋「チー!」⑥⑦⑧

高橋(思いがけずに高い手に……3切って聴牌)

高橋手牌
3④赤⑤⑤⑥/⑥⑦⑧ ①①① 中中中
3捨て

戒能「ポン!」333

行長 北捨て

そして

高木さん「ツモ!トイトイドラ2!2000・4000」

發發⑨⑨⑨/西■■西
                         ②②②
                         四四四

~~
ナレーター「高木選手!また片牌シャボ待ちきめてしまったあああ!」

神之浦「發鳴いたら⑨は重ならんかったし、そもそも振り込んでたと思うぞ。」

~~

東2局
高木さん西家
ドラ西

配牌
二四二四2四44③九西西西

戒能(高木さん、今まで西家でも配牌聴牌は無かったはず。1巡目は2は通る...と思いたい)

戒能 2捨て

……

戒能(通った!)

行長(合わせ打ち!)2捨て

高木さん 西ツモ

高木さん「カン!」西■■西
カンドラ七
2ツモ

高木さん(これで2は片牌シャボってやつだ)
③捨て

戒能(鳴ける、けどさっきは鳴いて失敗した。西家だからでかいし慎重に行こう)

高橋(もう聴牌。平和のみだけど...ここは慎重にリーチかけないでいこう。高木さん、西家だから絶対でかいし)

高木さん ツモ二
高木さん(聴牌した。)
九捨て
二四二四二四2424/西■■西

そして...

高木さん「ツモ!四暗刻!」

4
二四二四二四2424/西■■西

高橋(四暗刻!?たしかに高木さんなら作りやすいだろうけど。かなわないっすわ)

戒能(また片牌シャボ待ち!?どういうこと?)

~~
ナレーター「きまったああああ!高木選手の四暗刻!役満です。一気に177100点!2位に85000点以上の差をつけ一気に突き放したー!」

神之浦「西家だと役満まで出るのか……ヤバいなこれ。こんな凄いのが今まで埋もれてたのか。」

~~

東3局
ドラ七

4巡目
行長(聴牌。この局は和了れそうな気がする)

行長「リーチ!」

高木さん「カン」西■■西

カンドラ②

行長(高木さんの二と4のポンに西の暗槓。それ自体は慣れてきたけど、今は高木さんが暗カンしたとたん和了れそうな気がしなくなった。…リーチ後私は二連続2のツモ切りだし)

高木さん「ツモ!対々和で70符2翻だから…1200・2300」

22九九/西■■西
                 二二二
                  4 4 4

行長(また和了れる気がしてリーチしたのに和了れなかった。...ていうかまた片牌シャボ待ち!?)

東4局
ドラ⑨
4巡目

高橋「リーチ!」

5巡目

高木さん「カン」西■■西
カンドラ東

高木さん「ツモ!」
   四
二 二④⑤⑥五六/456西■■西

高木さん「三色同順嶺上開花!60符2翻で2000オール、と供託。」

高橋(早和了りの嶺上開花!?リーチかけたの失敗だったかな。)

戒能(というか嶺上開花ついたけど七が全部見えてるからまた片牌シャボ待ち。嶺上開花無ければ七だと三色同順つかないから片和了りでもあるね~~。)

東4局1本場
12巡目

高木さん「ツモ!三色同順!1000オールの1本場だから...1100オール。」

ドラ白カンドラ① 
  4
② ②④⑤⑥56/四五六西■■西


行長(今度は片和了り!?)

戒能(今回は片牌シャボ待ちでは無いみたいだね~~。なるほど。)

東4局2本場
ドラ五

戒能(つまり、三色同順の時は4の牌と7の牌、対々和の時は2の牌か4の牌のどちらかある方を抱えてればある程度封じられるのかと思ったけど)

6巡目 高木さんの河
⑦發⑦⑦中⑦

行長(強引に片牌シャボを作った!?てことは西をカンした後割とすぐに④が当たり牌に...まだ高木さんが聴牌してないうちに切っておこう。)
④捨て

8巡目
高木さん「チー!」456

10巡目
高木さん「カン!」西■■西

そして
14巡目


2 2四五六⑤⑥/456西■■西

高木さん「ツモ!三色同順ドラ1!60符2翻2本場だから...2200オール!」

行長(今度は片和了りの片牌シャボ待ち!?ていうか6連続和了ってちひみたいになってきたよ...)

戒能(和了らせないとか場の支配みたいな能力じゃないのに中々和了れないね~~。…いや...というか逆に対策して手を遅めるから和了りにくくなるのかな~~)

高橋(こ、これは強いなんてもんじゃないっすわ。ただ、配牌いい時、早そうな時に捨て身で流せばなんとかなるかも。
このまま親番続けさせてはいけない!中一の時の……全国大会みたいになっちゃう)

~~
ナレーター「高木選手、圧倒的です。199600点、20万点に迫る勢い!他者の追随を許しません」

神之浦「弱点が多いの差し置いても並のプロじゃ歯が立たないだろうなこれ。」

~~
六車「いやあ、予想以上に効いとるなこれ。まず、前半戦では無かった2の牌4の牌を鳴いた事への混乱。あと片牌シャボと片和了の連発。前半戦とは違う打ち方に能力。この大混乱でまずかなり優位に立った。
せやけど高木ちゃんの能力はどれもかなり分かりやすい、どういうものかはすぐにバレる。そうするとや、相手さんはまず、過剰に対策しようとするんや」

すみれ「中盤以降は4の牌とかを不必要に抱えたり、逆に使えそうなのに早めに切ったり、リーチ躊躇ったり色々後手後手にまわってるよね」

六車「高木ちゃんはただでさえ特定牌が集まりやすい能力や特定の和了り方で和了りやすい能力、特定の条件…例えば西を暗槓して片和了か片牌シャボ待ち聴牌したら必ず和了れる。といった能力やからな。
火力と速さがある能力に対して後手に回ってたら打ち負けるんや。なんも、和了せない能力や場の支配ちゃうんやから対策しつつ攻めた方が得策なんや。」

すみれ「⑦が偶然重なったのも良かったよね」

六車「それな。あれのお陰で片牌シャボ待ち作れるように最速でそういう牌の集まり方する。ってミスリードしてるやろうからな」

~~

高橋(高木さんの六連続和了。後半戦になって高木さんしか和了ってない。けど...速度が速いだけで和了れない訳じゃないんすわ)

高橋配牌

①①④⑤⑨六七九337中中

高木さん捨て3
高橋「ポン!」333 捨て⑨

戒能捨て①
高橋「ポン!」①①① 捨て7

高木さん捨て③
高橋「チー!」③④⑤ 捨て九

戒能捨て中
高橋「ポン!」中中中 捨て七
行長(も、もう、は、裸単騎!?)

そして……

高橋(三引いた。...ここは高木さんから出やすい三に張り替えて)

その後

高橋「ツモ!中のみ!700・1000」

三/中中中③④⑤①①①333

高橋「安手でも、流すしかないっすわ」

~~

ナレーター「高橋選手がついに高木選手の勢いを止めたー!!南入です!!依然高木選手は198600点でダントツトップです。」

神之浦「まだ高木ちゃんの西家もあるし、先鋒戦は高木ちゃんトップは硬そうだな。あとは他家がどれだけ盛り返せるか。小豆島としてはここで稼いでおきたい所」

~~
南1局

戒能「ポン!」三三三

戒能「ポン!」333

戒能「ポン!」③③③

戒能(三色同刻鳴けた。まあ高木さんから3の牌が捨てられやすいからだけど、高木さんの勢いも収まってきたかな~~?一度他家が和了ると収まるのか、はたまた後半戦東場は西場みたいなもん、と思い込んでの勢いなのか。それだったらほんとの西場だったら末恐ろしけど)

戒能「ポン」南南南

そして

高木さん 一捨て

戒能「ロン!三色同刻対々和ダブ南で12000!」


一/南南南③③③333三三三

戒能(なんにせよ。弱点も突けるようになったね~~。)

~~
ナレーター「戒能選手の跳満が高木選手を直撃しましたー!」

神之浦「やっぱり高木ちゃんを狙い打てるのは戒能だよな。...今んとこ」


南2局
高木さん西家
ドラ西

高橋「おおっ!これは!」

配牌&ツモ

三三六六①⑦⑨⑨44發發中 ツモ①

高橋「ダブルリーチっすわ」
切り⑦
(中なら出やすいはず...!)

2巡目
高木さん「リーチ!」

高橋(高木さんってリーチもするの!?)

3巡目
高木さん「カン!」西■■西

カンドラ三 ツモ④

高木さん「カン!」④■■④

カンドラ三 ツモ②

高木さん「カン!」②■■②

カンドラ發 ツモ白
白捨て

行長(一体何が起きたの...!?)

戒能(西家だと怖いくらいだよ~~。この時ばかりはかなう気がしない)

高橋(ダブリー七対子ドラ6でツモれば三倍満、裏乗れば数え役満にまで化ける手だけど...ドラ表示牌に二が2つあるから、二の対子持ちで三暗刻・四暗刻なら、二はもう出ないから片牌シャボ待ち...そしたら高木さん和了っちゃうよねきっと……)

高橋(まさか私が次引く牌は...)

高橋(リーチしてるから捨てるしかないけど、これ、やばいやつだ...)
捨て四

高木さん「ロン!リーチ三槓子三暗刻?だよね。あと、対々和役牌ドラ4で12翻だから...リー棒いれて25000点」

ドラ西 カンドラ三・三・發
裏ドラ 六 カン裏⑨・

  四
二 二四四/②■■②
                     ④■■④
                      西■■西

高橋「はい。」

高橋(ま、まだ4巡目なのに速攻のダブルリーチを三倍満で返された。これはもう西家の時は必ず和了るってこと?)

高橋「...ちょっと失礼」

山の牌をめくる
次に高木さんが引くはずだった牌はなんと中

高橋(ああああカン裏も乗って数え役満だったのに...)

~~
ナレーター「き、決まったああああ!高木選手!高橋選手に三倍満直撃!これで高木選手は211600点、20万点の大台を大きく超えました。」

神之浦「手牌も和了り方もえげつねえな…日本代表の補員...いやレギュラーに入れてもいいくらいだ。」

~~
南3局
ドラ⑦

高橋(また高木さんを勢いづかせたらダメだ。速攻で和了る)

戒能(高橋さんと行長さんの欲しい牌2牌ずたちは抱え込めてるから私だって速度は速いはず)

行長(...)

行長配牌
五五六九④⑤⑦⑧68 東東北 ツモ七

捨て東

戒能「ポン!」東東東

~~
ナレーター「行長選手、自風牌の対子を捨て鳴かせてしまったー!これは不可解だー。」

神之浦「そうか?戒能は対々和も簡単に狙える手なんだし東の対子は捨てないだろ。そうしたらこの東は対子止まりだし。それに...」

ナレーター「それに?」

神之浦「今の戒能のポンで高木ちゃんの手が進むのを止められた。」

ナレーター「そんなの分かりっこないんじゃ...」

神之浦「それはどうかな?ほらまた...」

~~

行長 七ツモ⑦切り

高橋「ポン!」⑦⑦⑦

~~

ナレーター「行長選手!今度はドラで塔子の⑦落とし!高橋選手に鳴かれてしまったー!これはまた不可解だ」

神之浦「まあ高橋はただの喰いタンだが、ドラ3乗ってもそれだけじゃ満貫止まり。なら鳴かせて高木ちゃんのツモ番飛ばした方がいいしそれにまた...高木ちゃんのてが進むのを止められた。
いかに高木ちゃんが速くて火力があっても2回有効牌引くのを阻止され一巡飛ばされたら、どうかな?」

ナレーター「そんなの行長選手からは分からないのでは」

神之浦「どうかな?⑦⑧の塔子も⑥⑨引かな意味ないからな。ほら、八引いた。揃ったのは萬子の方」

ナレーター「まるで揃う牌や、相手が引くはずの牌が分かってるかのような打ち方ですね。結局捨てなかった北も重なりましたし」

そして数巡後
行長「リーチ!」

そして更に2巡後

高木さん③捨て
行長「ロン!」

五六七七八九④⑤678北北

~~

南3局1本場
ドラ東

ナレーター「この局でも、行長選手は字牌整理でドラ対子の東をまず落としたり、塔子を切って単騎の南を切らずに残しておいたりと不可解な打ち方をしておりましたが」

神之浦「でも結果的に切った塔子の周りは引けんかったし南は暗刻になった。あと南残したのは多分もう一つ意味があるな...あ、そう言ってる間に今聴牌したぞ」

行長「リーチ!」

高木さん「カン!」西■■西
カンドラ1

~~
神之浦「高木ちゃんが西暗槓したけど、高木ちゃん今回手が遅くて片牌シャボ待ちも片和了も聴牌どころか狙う段階にすら進めてない。これは危ないな」

そして

~~
高木さん 3捨て

行長「ロン!リーチ役牌ドラ4の1本場で18300!」

ドラ東 カンドラ1
裏ドラ 南 カン裏九

3
一一赤五六七⑥⑦⑧45南南南

~~
ナレーター「行長選手のおやっぱねが高木選手を直撃!これは痛い!一時期先鋒戦にして200000点を優に超える得点を持っていた高木選手が、これで187500点!ついに200000点を下回りました!」

神之浦「ほら、裏ドラ南だったろ?行長の打ち方がこの2局でかなり変わったな。今までも、なんとなく和了れるかどうか、相手が鳴くかどうかを察知した打ち方はしてたが
具体的に1巡ずつどうやって打ったら和了れるかが見えてるような...打ち方。現状、狙いを定めたのか高木ちゃんからの和了り方しか見えてないのかもしれないが
覚醒した瞬間ってやつかね。このまま縺れると高木ちゃんやばいぞ」

ナレーター「覚醒ってまたそんな……」

~~
南3局2本場
ドラ6

戒能(2局前から行長さんの雰囲気が変わったね~~。このままオリてれば高木さんの点数削ってくれそうだけど。それで私がトップになるならまだしも
千里山がトップになるのは一番厄介。なんて言ったって大将に控えているのはあの椋さんだし、それに~~)

戒能(いい感じに三色同刻狙える配牌、ここは絶対あがらないとだね~~)

戒能配牌
③③⑥⑨335三三七 白北南 ツモ⑨

捨て白

行長「ポン!」白白白
捨て九

高橋(行長さんの白鳴き...まだ2巡目だしそこまで警戒することは無いと思いたいけど...むしろ早いとこ捨てとく?)
高橋發切り

行長「ポン!」發發發
捨て⑨

戒能⑨「ポン!」
捨て南

高橋(うわあああ中捨てられなくなったあああ。戒能さんもヤバそうだし...店じまいかな。)

高木さん3捨て
戒能「ポン!」333

~~
六車「まずい。戒能が⑨、③、3をポンして三副露、聴牌で高目は三色同刻対々和で高木ちゃんから出る三待ち。行長は一向聴とはいえ役満の大三元。
高木ちゃんの最大の弱点、圧倒的なオリの難しさが顕著に出る場面やこれ。最大のピンチやで」

すみれ「高木ちゃんは他家と比べて捨てられない牌があまりに多すぎるからね。それだけで聴牌不可能になって和了れない局すらあるくらいに...今回も和了りにくいオリにくい手牌だし...」

~~

そして
高木さん手牌
24242四二四②④西西西 ツモ中
高木さん中捨て

行長「ポン!」中中中

~~
六車「あああこれで行長が和了ったら親の大三元責任払い確定や」

すみれ「でもこの手牌だと仕方ないとこあるかもね。2の牌と4の牌が同数だし白以外捨てられない...」

六車「もしここで三引いたら...」

~~

高木さん ツモ切り三

戒能「ロン!」

行長「ロン!」

戒能
三三②②/③③③333⑨⑨⑨

行長
四五 99/中中中發發發白白白

行長「あ、頭ハネ!??」

戒能「ごめんね~~。せっかくそっち役満だけど、貰うよ~~。対々三色同刻30符4翻2本付けで8300」

戒能(これで千里山に1位取られるのは阻止したかな~~。)
戒能(思った通り、この状態だと狙いを定めた相手からどう和了るかしか具体的には見えないみたいだね~~。)

~~
ナレーター「や、役満の頭ハネだあああ!行長選手。高木選手への役満直撃をなんと頭ハネで阻止されましたー!」

神之浦「千里山に先鋒戦から1位取られて痛いのは高木ちゃんだけでなく他全員同じだからな
でも逆転できる役満手をしっかり直撃できるように作った行長もすげえし、特性生かした打ち方で頭ハネで役満直撃阻止する戒能もやべえ。一時、20万点超えた高木ちゃんといい決勝の先鋒戦見てるみたいだぞこれ。」

~~

六車「あっぶねー!戒能にロンされてなかったら千里山に逆転されとったわ」

すみれ「90000点くらい差をつけてもこんなことあるんですね。」

~~
ナレーター「さあ、先鋒戦もオーラス!最終局!高木選手のラス親です。トップは小豆島総合の高木選手、179200点、続いて2位が大生院女子の戒能選手104000点、3位が千里山女子、行長選手84600点、4位が尼ヶ坂女子、高橋選手32200点です。
高木選手、大きく稼いでおります。高橋選手はすでに2位3位からも大きく引き離され尼ヶ坂女子は厳しいかー!?」

神之浦「どうだろうな。高木ちゃんの前半オーラスからの片牌シャボ待ちや片和了り、行長の南3局の打ち方みたいに、まるで蕾から花が開く、または卵から羽化したみたいな進化したみたいな感じ。
その前みたいな雰囲気を高橋からは感じる。まあこの試合には間に合わないかもしれんけど、来年、再来年のインハイ、多分化けてる」

神之浦「それに1位2位の小豆島や大生院はみたところ絶対的エースが先鋒で大将戦まで逃げ切る戦法だが、尼ヶ坂はバランス型で強いて言えば先鋒と大将のダブルエース、千里山は絶対的エースが大将のあの椋千尋だ。」

ナレーター「過去3年、中学の全国大会は個人戦は椋千尋選手か白築慕選手しか優勝してなくて、団体戦もそのどちらかのいるチームしか優勝してないという驚異的な記録ですね」

神之浦「どっちも島根の中学だったから、一時期島根を制すものは日本を制すとまで言われたな。プロすら負かす実力者で椋はワールドカップのメンバーにも内定済みだ」

ナレーター「つまり...」

神之浦「どっか飛ばない限りまだ勝負はわからねえな」

~~
オーラス
南4局
親 高木さん
ドラ3

配牌
2419⑧一七發南中北西西 ツモ二

高木さん(一段とまた遠そうな配牌...部長なら高橋さんから三倍満直撃して飛ばし終了狙うんだろうけど...ちょっとかなり遠そうだし、私はあんまりそういう終わり方好きじゃないかなあ。...どっちにしろそんなの狙えそうに無いよね)

北捨て

高橋「ポン!」北北北

高橋(これで一役確定。高木さんだけじゃない。戒能さんも、行長さんもめっちゃ強くて心折れそうっすわ。
...小学校の時からずっと麻雀続けてきて、中学で東京から愛知の強豪校受けて入って、朝から晩まで打ち続けてこの散々な結果。
でも、中一のインターミドルの時と違って、まだ点数はある。椋の時ほど何も出来ないわけじゃない。前に進んで...次に繋げるっすわ)

高木さん3捨て

高橋「チー!」34赤5

高橋(よし、これでドラ2確定!)

高木さん⑧捨て

高橋「チー!」⑦⑧⑨

~~

高橋(聴牌した...)
③③六六/⑦⑧⑨34赤5北北北

次順ツモ北

高橋(加カンは逆効果なこと多いけどこの場合加カンで符ハネするのは大きい...カンドラも気になるしここは)

高橋「加カン!」北 北北北

カンドラ⑧
高橋(よし、満貫までいった!)

行長「リーチ!」

高橋(げ、行長さんがリーチしたってことはまた私は和了れない可能性が...ダメだ弱気になっちゃ)

高木さん「カン!」西■■西
カンドラ六
三捨て

戒能「ポン!」三三三

高橋(これでドラ5確定で役牌のみが跳満まで化けた...!
戒能さんはやっぱ三抱え込んでるってことは...③は持ち持ちの可能性が高い...高木さんも西の暗槓したから和了りから...そこまでは遠くない??六であがらないと!)

高橋 ツモ六

高橋「ツモ!」

③③六六/⑦⑧⑨34赤5北北北

ドラ3 カンドラ⑧・六

「役牌ドラ6で跳満!3000・6000!」

~~
ナレーター「先鋒戦終了ー!驚きの展開です。まさかのダークホース!部員ギリギリの初出場校小豆島総合高校の、麻雀初めて20日の高木選手が173200点で、2位の大生院女子の戒能優子選手101000点に70000点以上の差をつけダントツトップで先鋒戦を終えました!」

第163話 カン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?