見出し画像

冬は孚ゆ(ふゆ)〜親鳥の羽根が子を抱く季節

現在公開中のオンライン講座「暦の嗜み方〜秋の土用と冬の養生」を見る方も、見ない方も、参考にできるような記事をと思って書き始めた3部作の、最後の回です。

※今公開中の動画はこちら(申込:10月15日18:00迄)

1回目の記事はこちら↓

この回はざっくりとした全体像。

2回目の記事はこちら。

主に土用について書きました。

そして今日が3回目です。

今日は10月15日ですね。

それは、日本の暦でいうと、どのあたりなのでしょう。

二至二分

上の図の中でいうと、秋分と冬至の間ですね。

八節

この図で言うと、秋分と立冬の間ですね。

これは、秋の後半、ということですね。

もっと細かく見ると、こうですね。

画像3

この図で見ると、寒露と霜降の間です。

そして、10月20日から立冬の前日(11月7日)までが秋の土用。

土用と四立


でもって。

11月7日から、冬が始まります。

冬はこんな感じです。

冬

1年の中で、最も昼が短く、夜が長い季節です。

最も寒い季節でもあります。

一日の中で言ったら、夜のような時期です。

エネルギーを使うというよりは、蓄える。

朝昼に備えるように、春夏のために蓄えたり、休んだり。

寒くなり始めるのが、初冬。

本格的に寒くなるのが、仲冬。

とても寒いのが、晩冬。

です。

冬はこもる季節です。

そのことを表す字が「ふ」です。

画像6

孚。

「ふ」と読みます。 
この字の上は、鳥の羽根、 下は子です。子は小さな命のことで、卵の意味もあります。
「孚」という字は、親鳥が羽根で子や卵をおおって守っている姿です。
そのさまを「孚ゆ」と言ったりします。

このイメージが、冬という季節をよく表しています。


冬は、夏より動きをゆっくりにしたり、休む時間を増やしたり。
外に出歩くというよりは、家の中でできることをしたり。

ザバッと水浴びするよりも、ゆっくりお風呂につかったり。

冬は日が暮れるのは早いし、日が昇るのもゆっくりです。
そんな冬は骨休めの季節。
骨は休めることで固くなりますから、それが春夏に動くための骨づくりになるのですね。
卵が孵化したり、子が巣から外に出ていくまでの間、あたたかく、安心な、やすまった感じで親鳥の羽に包まれている。
そんな感じにしてあげることが、冬の養生のあり方のイメージかなと思ったりします。
冬は「孚」のキャンペーンという感じがいいなと思います。
とりわけ冬の最後のあたり、立春前後の新月前後は、和暦でいうと年末年始です。


一番寒い頃に、みんなで休んで、慰労しあったり、慰安しあって、一緒にくつろぐんですね。

ゆったり、ぬくぬく、ほっこり、やすらいで、充電して、春にそなえる素敵な風習だなと思います。

■水の季節=冬
秋までに貯めてきたものをエネルギーに変えながら耐え忍ぶ季節。

体液の循環が滞ると冷えがつのります。

冬は、血液やホルモンといった内分泌系の管理をする「腎」系の働きが要の季節です。
夏が放電の時期なら冬は充電の時期といえます。

寝る子は育つというように、冬にしっかりエネルギーを蓄積することで、夏に動ける体が作られていきます。

冬は骨休め、骨作りであり、この時期に動きすぎてエネルギーを失ってしまうことは「骨折り損のくたびれもうけ」になりがちです。

 五行色体表

この図の中の五味でいう「黒」に象徴される求心性の強い黒豆や小豆、黒米、八丁味噌のような長期熟成の(長い時間動かさず寝かされた)豆味噌、求心性の象徴とも言える塩と黒胡麻を炒り合わせた胡麻塩などは腎を助ける食品です。

調理法でいえば「長く火を入れること」が陽気を補充し腎を温める助けになります。

よく煮込んだ根菜の煮物や、天日干しした切干大根や切干牛蒡、天日や火のエネルギーをよく受けた長期熟成の番茶や炒り玄米茶、タンポポコーヒーなどもお勧めです。

腎臓に集まる血液は、足首の曲げ伸ばしによってポンプのように足元からくみ上げられてきます。

足先や足首の冷えやむくみは血液を冷やし、腎臓に負担をかけます。

また、冷えによって膀胱が冷えると夜の頻尿や夜寝尿が起こりやすくなります。

足湯や腰湯で温めたり、足首やふくらはぎをよくほぐして足腰の血流をよくすることが腎の助けになります。

血行をよくして足腰を温め、夜はよく眠ることが冬の養生になります。

ぬくぬくほっこり、よい冬を!

画像9

画像9

↑鉄火味噌



画像10

画像11

↑根菜のパワー


画像12

腎臓に送られる血液は足先からくみあがってくる。

その血液を冷やさないことが、腎臓や膀胱、子宮、卵巣、睾丸、腰回り、大腸、などを冷やさないことにつながる。

なので、足湯、腰湯、足裏マッサージ、おすすめです☆

いいなと思ったら応援しよう!

Takafumi Tomita
お読みいただきどうもありがとうございます。