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『ウランといのちの声を聴く』③みそをつくれる場を創る

4月13日にオンラインで行った読書交流会で、みそについての話が出ました。
(以下の記事の最後の方に出てきます↓)

(『ウランといのちの声を聴く』ってなに?という方はこちら↓)


この本の中の13章の中に「わたしたちにできること」という項目があります。これは、特に保養活動をしていく上でやっていきたい13の提案をまとめたものです。一部抜粋してみます。


十三章 被ばくの時代から保養の時代へ

『わたしたちにできること』

7 みそをつくれる場をつくる
みそはみんなでつくるもの。もともとそういうものだった。
道具も材料も、ひとりずつが仕入れていたら大変。
みんなで準備して、みんなでつくる。
そういった共同作業が出来る雰囲気を作っていくことが、ひとりひとりの出来ることを増やすことになる。
みそを広めるためには、「みそをつくれる場」をつくることが肝要。

8 みそ汁をふるまう場をつくる
来たらいつでも誰でも無料で食べられる、みそ汁をふるまう食堂。
家庭の事情で、家でご飯を食べられない子どももたくさんいる。
経済的な事情で手作り味噌を食べたくても食べられない人がいる。
食卓を囲んで、ゆっくり味わう場をつくることで「お金がなければいいものを食べられない」という世界を変えていく。

9 みそ文化を発酵させる
ふらっと立ち寄って、好みの味噌をお湯にといて、水筒に入れていく。
日々のための味噌をガラス瓶に詰めていく。
カフェや雑貨屋や、ゲストハウスの一角に、みそやみそ汁を補充できるみそスタンドをつくる。
各種の味噌やみそ汁をゆっくり楽しめる「みそBAR」には、各種のみそや、めかぶや昆布やわかめやふのりやあおさやクロレラやしいたけといったトッピングが並んでいる。

『ウランといのちの声を聴く』より抜粋



2020年に作って没にした原稿↑
2020年に作って没にした原稿その2↑


読書会の中でこの文章を朗読してくれた彼は、「ここを読んでいると、やれることがたくさんある、可能性が無限にある、という気がしてくる」と言ってくれました。
僕もそう思います。
やれることって、難しいことじゃないんだと思います。
野菜を切るくらいはできる、という人がいて、鍋を持ってくるくらいは出来るという人がいて、水を汲んでこれるという人がいて、味噌を持ってこれる人がいたら、まあみそ汁はできますよね。
ひとりでやろうとすると、大変。
でも、みんなでやるなら、ひとりひとりの持ち寄る「やれること」は少しずつでいい。

なんでしょうね、この「なにか社会に対して貢献しよう」ということを考える時にまず「ひとりでやること」が前提として考えちゃう感じは。
くせ?パターン?教育の影響?テレビの影響?
そして、「どうせ無理だ」となって、終わる。ちーん。

孤立感?孤独感?無力感?みたいなものが、すぐやってきて押しつぶしていく感じ。

保養活動に興味がある、関わりたい、と言って、実際には関わらずに去っていく(僕から見たら、それ以来会わなくなっていく)人の多くが言っていたことは「私には何もできない」という言葉。
どうも、保養活動や、それ以外の社会活動全般に言えるのは「なんだかハードルが高いものとして見えている」「すごく特殊な能力がないと関わっちゃいけない感じ」というような感覚を抱いている人が多いということ。

お味噌、作れますよ。簡単に。
みそ汁の炊き出し、数人いれば、誰でも出来ますよ。
場さえあれば。

これからは「個」じゃなくて「場」。

貴重な場を、みんなで支える。
場さえあれば、初心者も経験者も、若者も高齢者も、居れる。
場の質はみんなで作れる。
たったひとりでも、足の弱いおばあちゃんの手をとってあげられたら、そのおばあちゃんが参加できるみそ作りの場が守られる。

ゲストハウスに関わるたった一人が、キッチンのカウンターに味噌の入った瓶を置いて「お湯にといて味噌湯にして飲んでね」と書いといたら、みそバーが出来る。

そういうこと、考えてるんだよね、と話せる仲間を2人作ったら、実現の可能性はまあまあ結構あがる。

だとしたら、そういうことが話せる茶話会をまずは持つところからかもしれない。

味噌について、思っていることを話せる場。
そこから何かが始まるかもしれない。
いや、始まるっしょ。

世界的にも、言われていることがある。

「うちの地域でエネルギー自給率が上がって、今もその感じが維持できているのは、エネルギーについての茶話会をずっとやっているからだと思う」
と言っていたのは、フィンランドの人だったかな。

「たか、とにかくtea partyをやれ。生物多様性について広めたいなら、ローカルの中でtea partyを開き続けることだ」と言っていたのは、海洋生物学者だったな。

みそを誰かと一緒に食べる場。
まずは作ってみてほしいな。

伊勢街道で300年続く味噌蔵の醸し人、本地さんと味噌田楽を食む

この話はまだまだ続きます。

お楽しみに。

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Takafumi Tomita
お読みいただきどうもありがとうございます。