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【釣りコラム】Evokeを分解してみる
最近、ルアーを分解するのにハマっております。中身を見てみると、同じサイズのルアーでもウェイトの形や重さが違ったり、樹脂の厚みが違ったりといろんな工夫が見られて楽しいです。少し手間はかかりますがハンドメイドルアーを作っていると色々と勉強になることも多いのでぜひおすすめです。
今回分解するのはdeps社の 「 EVOKE1.2」です。対ヘビーカバー仕様で、ヒラを打たず直進性が高いクランクということでそのための工夫がどのように構造に現れているのか非常に楽しみです。
外観
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リップの角度の注目してみると、45°の角度がついています。体積が大きいと泳ぎ出しがスムーズにいかないことがあるのですが、大きなウェイトを乗せて喫水を深く取り、リップに角度をつけることで泳ぎ出しに必要な水噛みをしっかりと確保してくれます。
喫水線をもとにボディの作りにスケールを当てていきます。ウェイト部分は前方寄り、背中の出っ張りはちょうど真ん中くらいにきています。
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重さを量る
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重さはちょうど11.0g。ブリッツと同じく、相変わらず既製品の精度は素晴らしいですね。同規格サイズのクランクベイトの中では少し大きめの部類に入りそうです。11gの自重があればタックルをそこまで選ばなくとも使いやすい印象です。
体積を計る
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体積は13.0g/cm3。ボディを見てわかるように、大きく盛り上がった背中によって体積を稼いでいることが分かります。プラ製のルアーはそれなりの強度を持たせなければならないため、ある程度の厚みが必要になります。中空ルームを大きくとることで、樹脂の厚みの影響が小さくなり結果として見かけの密度を小さくすることができます。
分解する
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二つに割ってみると、樹脂量を極力抑えており、大きな空気室となっています。「evokeシリーズでこだわっているところは空気」と木村プロがおっしゃるように、見かけの密度は脅威の0.37。ブリッツが0.41なので樹脂だけを見れば、Evokeの方が密度が小さくなっています。
樹脂の厚みは1.1mmとなっています。樹脂製ルアーで1.1mmというのはかなり薄い部類に入ると思います。しかしながらエイトカンの接合部やリップの付け根部分にうまく樹脂が集中しており、然るべき箇所に必要な量の樹脂が確保されているように思います。
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特筆すべきは、低重心に徹底的にこだわったウェイトの作りです。非常に扁平に作られており、こだわりぶりが手に取るように分かります。ウェイトは4.3g。躯体を軽くできた分ウェイトを大きくすることでより低重心となり、起き上がり小法師のようにバランスを崩したときにいち早く体勢を立て直すことができるように工夫されています。
まとめ
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比較してみるとわかりやすいですね。体積を大きくしてみかけの密度を大きくしている工夫が定量的にわかります。ウェイトにも注目してみると大きいものを搭載しています。構成を見てみればバルサクランクに近づけたいという意図も読み取れるような気がします。