本当に求めているものは、自分ではイメージできないのかも?
私には、とても大事な年上の友人、知人が何人かいる。
その中で一番年長者であるのが、86歳の女性だ。
年齢は私よりもずっと上だし、戦争も経験してきた年代で、
人生経験もものすごく豊富でとても素敵な女性なのだけれど、ありがたいことにご縁をいただき、以来ずっと仲良くさせていただいている。
一緒にお茶をしたり、美味しいものを食べに行ったり、ご自宅に招いていただいたり、時々、音楽の鑑賞をしたり。それから残念ながらこれは叶わなかったけれど、年始には一緒に能登の旅行も計画していた。
昔は、友人といえば同年代か、年が離れていたとしてもせいぜい10歳前後くらいの範囲までだろうと勝手に思っていたけれど、(それくらいでないと、生きてきた時代や価値観も違うから、話が合わないと思っていた)、今こうして随分年の離れた友人とお付き合いさせていただいていると、ほんと、年齢は関係ないなと思う。
波長が合ったり、共通の話題があったり、価値観の部分で深く共鳴できる部分があれば、人と人はつながることができ、わかり合えるものなんだなぁと思う。
その年上の友人とは、いつも会えば話題が尽きず時間を忘れるくらいおしゃべりに夢中になってしまう。人生の先輩として尊敬できる方なので、礼節をわきまえて、相応に振る舞っているつもり。
けれども、その方はびっくりするくらい、キャッキャと、まるで少女のように無垢に話されるので、時々敬語を忘れてタメ語が飛び出してしまうことも多々ある・・。
今日はその友人から久しぶりに連絡をもらい、メキシコ旅行のお土産をいただいた。やや遅めの誕生日プレゼントも兼ねて。
一週間ほど滞在していたようで、すごく楽しく充実していた旅のようだった。去年、日本に留学に来ていたメキシコ人の女性とも会えたという。
私も一年前にちょうど会って、3人で食事に行ったことを懐かしく思い出した。
ちなみに友人からいただいたお土産は、カラフルな糸を贅沢に使った織りのポーチ。伝統的な織物で、マーケットで出会い直観的に手に取ったという。
最近、ずっとポーチが欲しいと思っていて探していたのだが、なかなか自分好みのものが見つからずだったので、とてもうれしかった。
目の覚めるような明るいカラーも、デザインも、サイズも、使いやすさも、私が探していたポーチに求める要素を何もかも満たしてくれていたから!
この喜びをどう表現したら良いのだろう。
うまく言葉にできない、このもどかしさ。
ポーチくらいでそんなに感動!?
と言われるかもしれないけれど、本当に本当に嬉しかったのだ。
とくにグッときたのが、赤、青、緑、黄色と明るい色彩の糸がきれいに織り込まれていたこと。手仕事のあたたかみも感じて、心を込めてこのポーチをつくってくれたメキシコ人と不思議な糸で繋がれた気がした。
最近は、わりとシンプルなものばかり使っていたので、
明るい色にこんなにも心が動くなんて!
と、自分の心の変化にびっくりしたこともある。
色が心にもたらす作用、あなどれない!
とくに、最近はいろいろと内省することも多かった、静かでモノクロな時間だったから、そんな日々に明るい色が差し込んだようで嬉しかったのだ。
それから、こんなことも思った。
ポーチ探しは私にとって難易度が高くて、色、デザイン、サイズ、素材感など、自分の求めている要素を全て満たすものにはなかなか出会えないけれど
でも、こうやって思いがけないところから、自分では想像もできなかったような、斬新なデザインのものがやってくるんだなと。
欲しいものは、あれこれ条件をつけるからイメージできるけれど、
本当に心の奥底から求めているものは、意識の深い部分からくるものかもしれず、ゆえに、想像ができないのかもしれないと思った。
普通に生きていると、目的とかゴールとか、目標設定とかすると思うけれど、それって本当に本当に望んでいるものではないのかもしれないなと思った。
深層心理を探って、本物、本心に気づけるのは、案外、こちらからイメージして求めていくものなのではなく、向こうからある日突然、絶妙なタイミングでもたらされるものなのかもしれない。
想像を超えた出来事って、おもしろい現象だなと思った今宵の出来事でした。