【北海道の田舎者視点のベストコンサート-国内編 3/5】 ーカルロス・クライバーと札幌交響楽団ー
カルロス・クライバーが札幌交響楽団を振ったの?
1992年、私が中学2年。もう少しで中学3年になろうとしていた私。もうすっかりクラシック音楽ファンになっていた私は、親に連れられることもなく自主的に演奏会に出かけるようになります。私の地元、北海道の帯広に札幌交響楽団(以下、札響)が来るとのことで、多分初めてのこととして、一人でコンサートに出かけました。ワクワクする気持ちを抑えきれずに、家を早く出たのでしょう。北海道の3月上旬といえばまだまだ雪が多く降る頃。自転車で行くことができるわけもないので、路線バスに乗って帯広市民文化ホールのある駅のところまで行ったんだと思います。開場の時間までまだまだあったので、帯広の唯一のデパート「藤丸」で時間を潰すことに。当時その5階に地元の電気店「ハラデンキ」があって、当時最先端の大画面ハイビジョンテレビの放送を上映していました。
衝撃のカルロス・クライバーとの出会い
何も考えずにそのハイビジョンテレビの前に座ると流れてきたのは、その年1992年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの再放送。「へ〜」と思いつつ、おそらくその時初めてニューイヤーコンサートの存在を知ったんだと思います。指揮はあの「カルロス・クライバー」。クラシックファンと自称しながらクライバーの存在すら知らなく、クラシック音楽界は小澤征爾中心に回っていると信じ切っていた私。クライバーなんて私にとっては「無名の」指揮者の演奏を軽い気持ちで見ていたのですが、ニューイヤーコンサートが進むにつれて、そのクライバーに引き付けられる自分に気づくことに。何の曲だったかはうる覚えなのですが、おそらく「雷鳴と稲妻」だったかと思います。「なんじゃこりゃあ!」「こんな指揮者見たことない!」、それに呼応するウィーン・フィルの聞いたこともないサウンドと色々なサイズの渦が勢い良く渦巻くかのような演奏。すっかり度肝を抜かれ、その場で腰砕け状態に。でも今回の目的は札響の演奏会。それを自分に言い聞かせて、放心状態の自分をやっとの思いで帯広市民文化ホールへ連れて行きます。
そんな精神状態での札響のコンサートは?
高関健さん指揮するところの札響によるオール・モーツァルトプログラム。確か相当前の席でコンサートを楽しんだと思います。その時のことを鮮明に覚えています。ただ、実はそのクライバー・ショックで演奏自体はあまり印象に残っていないのですが(高関健さん、札響の皆さん本当にすみません)、その日(1992/3/7)が、それ以来私がゾッコンになるカルロス・クライバーとの出会い記念日。そんなことで、この日の演奏会がベストコンサートTOP5に入ることに!
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