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山梨県25人学級実現の道
またまた記事が滞ってました。だいぶ前ですが、以下の記事を読んで、ぜひnoteで書きたい!と思いながらもはや3か月経過。。時の流れは速い。。
こちら途中から会員限定になっているので、以下のプレスリリースも貼っておきます。全国的に教員不足や教育予算不足という状況がある中で、小学校低学年からはじめてついに全公立高校で5年制まで実現。最終的には6年制まで実現を目指しているとのことで、着実に目標達成に向かっています。
こちらにかかった県の予算は9億円とのことです。高いのかどうかについて考える際に、最近よく例として出しているのですが、中野区長選挙で度々話題になっていた中野サンプラザの建て替え事業でかかる建築予算。当初予算で1810億円、最新の情報では3540億円。神宮外苑再開発事業の総事業費は3490億円となっており、教育分野の予算としては高く感じるかもしれませんが、実は経済分野の政策と比べるとそこまで高くない印象もあります。
山梨県のHPにも重点政策の1つとして掲げられていました。知事がちゃんとこの政策を発信しているあたり、未来のために教育を大事にしていることが伝わることも好印象でした。
OECD先進国の平均クラス人数が21~23人程度なのに対して、日本と韓国の1クラスの人数はまだまだ多くなっています。以下を見るとあまり差がないように見えるかもしれませんが、フィンランドでは1クラス上限を20~25人、フランスでは24人以下を目標、カナダでは23人以下等としているのに対して、日本はまだ40人学級が標準となっており、過疎地と都心部でクラスの人数に差が大きく、注目すべきは平均規模以上に、〇人学級を標準としているかという点かと思います。
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昔のように学校教育が唯一のインプットだった時代と違って、今は塾・習い事に加え、Youtubeやらインターネットやら、子供たちにとって様々な学習ツールがあり、その中で学校で何を教えるのか、というのは大きく変容してきているように思います。
また、外国籍の子どもたちの増加や、かつてはないものとされやすかった発達障害、LGBTQなどが権利として認められるようになってきており、ひとり親家庭や再婚家庭など、様々な家族の形も増えてきている中で、子供ひとりひとりのバックグラウンドも多様であることが当たり前になってきました。これまで認められなかった様々な権利が認められている一方で、それを踏まえた教育、学級の在り方が設計できているか、というとまだまだ、40人学級を標準としていると一律で一方通行な授業になるしかないのが実態ではないかと思います。
教員の方々と話すと、そういった様々なバックグラウンドのある子どもたち同士がけんかしたり、いじめをしたりしないよう「事件のない1日を過ごすこと」が学級経営および教員の最大の目標である、と言っていましたが、まだ大人になっていない様々なことを学ぶ子どもたちを40人見るということは、どうしても管理的にならざるを得ない現状があるかと思います。
今や、大人でも1人の管理職がマネジメントできる部下の人数は5~7人とされている中で、大人相手でも40人を見るというのは、ムリゲーと思う方はお仕事をしていると多いのではないでしょうか。
時代が変わってきている中で、テレビも見なくなり、子供と大人が見る動画・映像コンテンツも分かれてきて、学校教育だけが唯一日本にいる子どもたちに一斉に教えることができる場になりました。その学校で何を教えるか、ということは、日本をどんな国にしたいのかそのものだと思います。
先日、200ページほどの文庫本である『銀の匙』を教材に中学3年間かけて生徒と一緒に読んだという、灘中の国語教師を務めた橋本武のインタビューを読みました。そこでは、1週間で1ページも進まなかったエピソードも書いてありました。-「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる」先の見えない、答えのない時代を生きる多様な子ども、若者たちにとってどんな教育が必要なのか、大きなヒントが、この事例にも、山梨県の教育方針にもあるように思いました。