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流産という思い出③(21)

こんにちは!
和らぎと美と健やかさをお届けする華道家。
『ずっと健康に、もっと美しく』の伴走者 髙坂夏子です(*^^)v

前回(②)では、明らかな出血で病院に夫婦で行くことにした
というところまで書きました。

このご時世です、どんなに不安でも病院に入れるのは本人のみ。
夫とは玄関前でお別れ。
受付を済ませ、指示通り、尿検査のためトイレへ。
不安で堪らない中、周りにはお腹の大きな妊婦さんだらけ。
「わたしが今、流産なんじゃないか、ダメなんじゃないかって
 思っているけれど、この人たちは順調に赤ちゃんが育っているんだなー」
「流産かもしれないって不安な人と、幸せな妊婦さんとが同じところにいる
 って、何て酷な科(産婦人科)なんだろう・・・」
そんな風に思いました。
それと同時に
「わたしも今まで3人の妊婦健診で逆の立場だったのかもしれない。
 自分は妊娠が嬉しくして幸せで赤ちゃんの成長を楽しみに来ているけれ
 ど、同じ待合室には流産の不安(もしくは、婦人科の病気や不妊なども含
 めて)を抱えている人がいたのかもしれない」
とも思いました。
そして、
妊娠中が幸せいっぱい、喜びしかないって訳でもないってことは、
身をもって体験しています。
赤ちゃんの発育が順調か心配だし、
流産(死産)してしまうんじゃないかといつだって不安で、
陣痛に耐えられるかなって恐怖もあったり、
自分の体重増加と常に闘って(人によると思うけど)
血液検査で血糖値や甲状腺ホルモン、貧血など何か異常を言われる可能性だってある。
喜びや楽しみ、期待と同じだけ、
不安や恐怖があるのが妊娠だって思います。

話は戻って、尿検査のためトイレへ。
尿検査用の紙コップに入ったのは、真っ赤っかの尿でした。
こりゃダメだなって思いながらも、
でも何とか大丈夫って言われないかな、この命、どうにかならないかな
って入り混じりながら、待合室で順番待ち。
途中、上の子たちの妊娠・出産でお世話になった助産師さんに
声をかけてもらって、それだけで涙が出る。
遂に診察室に呼ばれ、
「これからエコーでも確認しますが、妊娠5週と6日。
 この時期の出血となると、赤ちゃんの生命力次第なので・・・」と
色々と説明してくれました。
エコー検査と血液検査をすることに。
エコー検査では
胎嚢という赤ちゃんの入っている小さな袋が見えても良い時期だけれど、
見えない。
出血で子宮の中が黒く見えるだけ。
卵巣が腫れたりという異常はなさそう。
とのことでした。
一旦、診察室に戻って
「血液検査の結果と、これからの出血の経過を見て、最終的には決まるけれ
 ど、今回は残念ながら流産と思ってもらって間違いないと思う。
 ただ、稀に、出血が止まって、エコーをしてみたら胎嚢が見えてくるって
 こともありますから。」
と、次回の受診の指示を受けて、採血して会計して・・・。

分かっていた(予想していた)こととは言え
頭の中がぐわんぐわん。
やっぱりだめだったか・・・
会いたかった・・・
産んで抱っこしたかった・・・
いなくなって寂しい・・・
わたしの何かが悪くて、こうなってしまったのかな・・・
言い尽くせない気持ちがぐるんぐるん。

病院を出て、夫と合流。
助手席に乗って、
「ダメだった」と一言いうのが精一杯でした。
「ダメだったか・・・」とだけ言って、頭を撫でてくれた夫。
それにとても救われました。
夫の方を見る気力(余裕)はなかったけれど、夫も隣で泣いていたようです。(聞こえてくる音でそう感じました)
わたしに何かを食べる気力があるかどうかも分からないけれど・・・と
わたしの好きなナッツや蒸しパン、カフェオレなどを買っておいてくれました。
平日の昼間、こんな風に2人で出かけられることなんてありません。
せっかくの機会だからと、カフェに入って
ため息ばかりで、会話が弾む訳でもないけれど、
2人で少しゆっくり過ごして、
ちょっと頭に違う風が吹き込まれるような
妊娠(流産)以外のことも頭に入ってくるスペースができたような
そんな時間でした。

次回の受診まで安静にということで、仕事はお休みすることに。
気持ちが塞いでいると、
「誰にも会いたくない、話したくない」ってなるもんですね。
暫くはそういう日々を過ごしていました。

ということで、つ・づ・く


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