プリマドール4話 物語制作者のための分析
※重要な定石やテクニックは太字です。
●今回の特徴
・クライマックスのシーンで終わるのって意外と難しいけど、今回はその流れなので最高潮で終わりたい作品を作りたい人は参考になるかも。
コンサートを成功させる、的なものが物語の目的としてある場合、それまでに全て問題を解決してあとは成功させるだけ!みたいに進めていけば一番盛り上がるところで終わることができる。
アニメではないけど、アカデミー賞の「セッション」なんかもこれ。
・今回も問題を抱えた仲間キャラがそれを克服するサブプロット。
やりたいことがあるが、抱える問題によってできない。その問題の鍵が「恩義」というパターン。
(今回のサブプロットのメインキャラを以下、メインキャラと記述)
●4話構造抽出
・物語の1話であったメインプロット関係の伏線的なものをチラ見せ。危険そうな敵が起動する(伏線A)
・組織に貢献する事をしている主人公。「それ」に誘われるが、直接的な仕事とは関係ないとしてメインキャラは拒否する(冒険の拒絶)
・上官にもやったどうだと進められるが、これも拒否。しかし「それ」は実はメインキャラのやりたいことでもあり、一人きりのときにやったりしている(問答)
(全体の20%)
・主人公が無理やりメインキャラを「それ」に誘う。しかしメインキャラの琴線に触れることをうっかり知らずに言ってしまい、乗り気になりだしていたメインキャラだったが、やはり拒否してしまう。(問答パートの続き)
・主人公と仲間視点
主人公と仲間はメインキャラの何が琴線に触れたのかと悩む。
※シリアスが続いてしまうので、主人公が自分のせいだとコミカルに泣きわめくシーン
・メインキャラ一人視点。
主人公が触れた琴線に関係する、目陰キャラ抱えている問題を視聴者へ仄めかす。
(全体の約25%)
・主人公がメインキャラに謝罪する事で仲直りし、そこでメインキャラの過去(トラウマ)を知らされる。そこで他の仲間(ここでは上司)との絆や問題が明らかになる。
主人公はメインキャラの為に問題解決へ乗り出す(目的)
(ちょっと遅めのプロットポイント1)
・上司がメインプロット関係で協力を頼まれ、危険そうな任務へ向かうことになる(依頼)。主人公達は心配しつつも見送る。
そこで冒頭の伏線Aの回収があり、上司は危険に陥る。(ピンチポイント)
(全体の45%くらい)
・主人公の組織視点。
心配して仕事が手につかないメインキャラ。組織へ上司から電話がかかってきて安心するが、後ろから不穏な音がする。気努力がある仲間のに届けものをしてもうらよう、緊急の頼みごとの知らせだった。
メインキャラが行きたいと申し出るが、その日組織で行われる別の仕事(メインキャラが問題のせいでできない「それ」関係)を成功させるのがメインキャラの仕事だと上司は許可しない。
・上司視点。
敵に囲まれて大ピンチ。
※袋の鼠
仲間が何とかかけつけ、荷物だけ届けて逃げる。
(全体の半分くらい)
・メインキャラは組織の仕事をしながら、訪れた人に上司の状況の情報収集をする。
憂いているメインキャラ。今ある仕事を上司から命令されているので、ほっぽり出して助けに行くわけにはいかない。主人公はいてもたってもいられず。悩んでいるメインキャラを無理やりに上司の元へ連れ出す。
※前回もそうだが、主人公(この場合メインキャラも)が物語後半から能動的に行動しだすのは定石
(全体の約60%)
・メインキャラは上司の元へ急ぐ。
そこで抱えている問題が酷くなっていく。(この作品では、メインキャラの体は上司が集めた継ぎ接ぎでもろく、大切に扱わなければならない。それでも体を酷使して急ぐ)
※足が壊れていく痛々しい演出
・上司視点
絶体絶命の時に届けてもらったものでなんとかしようと試みる。
そこにメインキャラが到着し、上司を守る。体が崩れていて守り切れず、二人ともやられそうなときに上司の届けてもらったものでなんとか危機を脱出する。(偽のクライマックス)
(プロットポイント2)
上司は死にかけた&メインキャラの足にヒビが入って使い物にならない→軽いが一応死の臭いイベント
(全体の約75%)
・主人公、メインキャラ、上司は組織へ帰ることになるが、組織の仕事が間に合わないため主人公だけ先に急いでいく。
二人きりになったメインキャラと上司。命令違反を謝ったり、絆を確かめ合う。上司は絆のせいでやりたい「それ」を足踏みしていると思い、背中を押す。
(この話では、上司が頑張って集めたメインキャラの体なので交換せずにずっとそのままにしていたいと思っていた。そうするとステージに立てない。でも上司は自分の召使や戦闘ロボじゃないんだし、気にしたらいけないと諭す)
※一応ここはクライマックスのお膳立て。動機づけ。
(全体の85%)
・組織の仕事で「それ」をやるためにメインキャラを待っていた主人公達。
メインキャラにはできない問題があったが、主人公がちょっとした秘策を展開。
メインキャラは上司にも背中を押されていたし、「それ」ができるようになる(クライマックス、目的達成で解決)
4話終わり。