高田航成|ライター
架空の都市トーキョー特区で働くコンサルタント阿部写楽を主人公としたSF物語(短編集)です。日記風・対談風・小説風等々、様々なスタイルでお送りしています。なお、物語によって多少設定が変わります。
掌編サイズ(大体800-2000文字程度)の物語を載せています。
全29巻のビジネス系物語(ライトノベル)です。1巻~15巻まで公開(試し読み)してます。気楽に読めるようベタな作りにしました。是非読んでね!
全50話(無料)くらいの物語です。ダメな主人公が周囲の支援を受けながら、人生を再起動する、って内容です。とにかくベタな展開を心掛けました。
導入【基本情報】 主人公の阿部写楽は、トーキョー特区内では支配層に属する会社RiQグループに所属する超エリートで、会社の花形部署である「市場開拓・市場創造支援本部・制度課」に所属。 「資本主義の果て」と呼ばれる時代に仕掛ける側の立場にある人間のあれこれを描いたSF短編物語集です。 【概要】 阿部写楽が社内報で担当した「対談」をお送りします。 本編 写楽:当局、衛生部排泄物処理課・課長の幸田さんです。 幸田:先日はありがとうございました。私の出版パーティーに来て頂き、
小さな会社の小さな課で長をしている。課長と言っても課という程の構えはない。普通の会社だったら、係とか班とかの長、もしくはチームリーダーといった所だろう。 でも、小さな会社の取るに足らない社員が対外的に少しでも優位に、というより背伸びする為に、私は上げ底で課長という職を頂いた。 こんな上げ底課長の私にも、一応ではあるが部下が3人いる。 1人は30代後半の部下のF君で役職は課長補佐。彼とはプライベートで釣りに行く仲で、殆ど友達に近い間柄だ。 1人は30代前半の部下のTさん
114 (X7年3月~5月) 退職後、高山先輩や財前先生に相談しながら、テナント探しと並行して、法人設立の手続きを進めていた。 名称は合同会社ウォーリア。 ウォーリアとは戦士という意味だ。山田さんから散々戦士タイプの人間と呼ばれてきた事もあって、初心忘れるべからずの意味も込めて、ウォーリアと名付けた。
◆111 (X6年10月) 会社は現在、品川新本社への引越で慌ただしい。 私も新研修室に人事課の社員と一緒に研修用のベッドや器具を運び入れていた。引越が一段落するタイミングで、山田さんがやって来て、「川尻! ちょっと話があるからランチ行くぞ」と誘われ、後を伊地知さんに託し、2人でランチに出掛けた。 しかし、最初品川に本社を移転する、と聞いた時は、港南口にある近代的な高層ビルのテナントに移転するものと思っていたが、蓋を開ければ高輪口からしばらく歩いたところにある、そ
◆107 (X5年12月) 12月。幹部が視察に来る日。 お客さんの予約時間を調整し、午前中の2時間を空けておいた。 予定時刻通りに1台のミニバンがやってきた。一旦店舗の前に駐めようとしたが後ろからバスが来ていた為すぐに走りだし、店舗から数十メートル先にあるコインパーキングに駐車した。私は入口から外に出て待っていた。 山田さんと伊地知さんの後ろから、片岡メディカルには似つかわしくないパリッとしたいかにも高級な背広に包まれた経営幹部の方々が4名やってきた。(要する
◆104(X3年11月~X5年12月) 高山先輩の事務所の近くにあるカフェに来ていた。 カフェというより純喫茶風の内装で、先輩の会社の後輩が開業支援に関わった喫茶店だそうだ。 高山先輩の後輩が支援したクライアントさんは、昨今のレトロブームに乗る形で純喫茶風にしたそうだが、昭和生まれの私からすると、喫茶店なのに禁煙で店内に昭和歌謡曲が流れている辺りに、どこか違和感を覚える。
◆100 (X3年10月) 10月。内示段階ではあるが昇格が決まった。 企画室ウェルネス事業部準備チーム・事業開発第1班サブリーダーという長ったらしい肩書きになり、名刺が入った透明の箱が大井町整体院に届けられた。 この長ったらしい名前の部署のリーダーは貝本さんという、統括本部長がどこからか引っ張ってきた人物で、以前は統括本部という片岡メディカルでは一応は花形と呼ばれる部署に所属していたのだが、わずか1年でこちらの部署に移ってきたという人だ。 これが、とんでもな
◆97 麻子と智美。(X3年8月) 今日は2人で大好きなミュージシャンのライブに行く日。 夕方、智美が車で迎えに来た。「一緒に行きたい!」とねだる雄大の気を逸らして実家に預けると、そのまま智美の運転でライブ会場のあるお台場へと向かった。帰りは雄輔が雄大を実家に迎えに行く事になっている為、帰り時間を気にせずに今日は遊ぶ事が出来る。ライブ後は2人でカラオケに寄り、ライブで流れた曲を一から2人で歌い、2度楽しむ予定となっている。 車内では智美が、雄大のお迎えを快く引き受
◆94 (X3年7月) 笹沼は翌日から来なくなった。連絡しても出ない。その次の日、企画室の伊地知さん(どうやら最近大井町整体院の担当者になったらしい)から連絡があり笹沼は退職したとの連絡があった。 今野も翌週から来なくなる。間もなく、伊地知さんから今野も辞めたと連絡来る。
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後輩から慕われているA先輩。 すごく優しくて面倒見が良い。 私がミスした時も、 「Kさん気にしなくていいよ」と言っては 手取足取り教えてくれる。 違う先輩はもっといい加減だけど、 A先輩は丁寧に教えてくれる。 だから困っている。 A先輩の事が好きなBさん(先輩)からの嫌がらせが止まらない。 私、わざとミスしてる訳じゃない。 本当にパソコンが苦手なだけ。 でも、Bさんにはそうは映らない。 私がAさんの気を引く為にやってる風に見えるみたい。 A先輩に「やめてもらえます
学生時代の同期達と飲み会があった。 皆、頑張っていた。 皆、成長していた。 皆、新しい挑戦をしていた。 すごく居心地が悪かった。 どこか置いてけぼりにされた感じがした。 でも自業自得だから仕方無い。 ◆ Aは、昨年出世した。 最速で課長になった。 土日も休まず人脈作りに励んだ甲斐があって圧倒的な営業成績を上げた。 従業員1万人以上の上場企業で、このスピード出世は珍しいそうだ。 昔は、どこか自信なさげな顔をしている奴だったが、今は自信に満ちている。 ◆ Bは、3年
「えっ、捕まったの?」 一体、何度言われたか。 「何それ、囚人服?」 これも、何度言われたか? 大学生の頃、普通に黒と白のボーダーを 3日連続で着ていっただけなのに、 それ以来、ボーダーを着ただけで 「囚人ルック」 「収監中」 「アルカトラズ」 などと呼ばれていた。 途中から、何だか楽しくなって、 皆の期待に応えるように、 時々、ボーダーを着るようにしていた。 友達と買い物に出掛けた時に、 わざわざボーダー柄の物を選んで、 イジられ待ちしてた事もあった。 ◆ あ