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日本では体験できない米粉麺の魅力は「クア・ガイ」で

 タイの麺類と言えば米粉麺の「クイッティアオ」でしょう。タイ米の古米を砕き、水に溶いたものを蒸してできあがる。クイッティアオは材料が同じではあるものの、太さによって種類が変わる。食感が違うので、ほとんど別物と言っても過言ではないほど、そこに大きな違いが生まれる。

 太麺はセン・ヤイ細麺はセン・レック極細はセン・ミーで、この3種類が基本になる。このほかにもパッタイ専用の麺があったり、形が違うタイプもあり、クイッティアオとは言っても、様々な種類があり、味わいも変わってくる。

 その中でボクがおすすめしたいのは太麺「セン・ヤイ」一択である。というのは、日本のタイ料理店ではほとんど味わうことができないものだからだ。タイに来たらぜひセン・ヤイを楽しんでもらいたい。その中でも特に食べてほしいメニューが「クイッティアオ・クア・ガイ」なのだ。

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 クイッティアオを楽しむ場合、麺に種類が多い上に、スープに入れるか入れないか、さらに炒めるタイプもあるのでとにかく奥が深い。麺の味わいだけでなく、料理としての味わいも数多にあるわけだ。

 スープ自体にも様々なバリエーションがある。その中で麺そのものを楽しめるのが透明スープの「ナムサイ」だ。かなり薄味なので、卓上調味料セットで味を調える必要があるかもしれないが、ボクはナンプラー(魚醤)だけを少々加える。そうすることで、麺自体を楽しむことができる。

 セン・レックは乾燥麺であることが多い。セン・ミーは工程上、必ず乾燥させている。セン・レックはメーカーによっては半分乾いたようなタイプもある。これは麺を細くするための成形上の理由や、工程の中でそうならざるをえないため、乾燥している。

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 一方、セン・ヤイは完全な生麺タイプもある。クイッティアオは太さにかかわらず、最初の蒸す工程はシート状になっている。セン・ヤイの生タイプはその状態から適度なサイズにカットされ、四角い形で出荷され、市場や飲食店に納入される。

 上記の画像は市場で売られるセン・ヤイで、注文に合わせて太さを合わせて切ってくれる。店主はなにを作るかを聞き、それに合わせておすすめのサイズにしてくれることもある。セン・レックは太さ的に生麺では再現できない。これもセン・レックが生でない理由のひとつだ。

 日本の場合、タイから輸出する場合に生のまま送ることができない。そのため、日本のタイ料理店でセン・ヤイはどうしても乾燥麺になる。乾燥麺は水で戻し茹でて供することになるので、スープ麺であればなんとか食べられるが、炒めるとぼそぼそとしてしまう。

 生麺であれば、炒めてもスープでもチュルチュルとした食感が楽しめる。だから、タイに来たらクイッティアオはまずセン・ヤイを楽しんでもらいたいと思う。

 ただ、生麺にはデメリットもある。安い麺は添加物が入っていることもあって、生麺だとダイレクトに身体に悪影響を及ぼすとも言われる。衛生面にも心配がある。さらに、その生麺がいつ入荷されたのかが客にはわからない。

 最近のクイッティアオは製造技術が向上しているので、乾燥麺を水に戻しても、食感が生のままというものも増えてきた。そのため、高級店などでは管理の関係もあるものの、あえて乾燥麺を選択するケースも増えている。日本のタイ料理店でもセン・ヤイは以前ほど悪くはないとは思う。だから、誤解しないほしいのは、乾燥麺=悪いというわけではないことだ。

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 そんなセン・ヤイを楽しむにあたり、ぜひ食べてほしいのが「クア・ガイ」だ。正確にはクイッティアオ・クア・ガイとも呼ばれ、直訳すれば「米粉麺の鶏肉炒め」みたいな感じか。「炒める」に関しては「焼く」などと含めてタイ語には様々あるので、これは後日詳しく紹介する。

 クア・ガイはいわば塩焼きそばのような感じで、非常にシンプルであり、それでいてセン・ヤイのチュルリとした食感を存分に味わうことができる。

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 クア・ガイはシンプルゆえに、店によって雰囲気が全然違う。本当にただ鶏肉とセン・ヤイ、卵を炒めただけの典型タイプもあるし、レタスなどを入れる店も少なくない。それから、この画像のように卵はかき混ぜないで落とす店もある。要するに、いろいろな店で食べ歩いて比較するにも向いたメニューでもある。

 クア・ガイはどこにでもあるような、珍しくもなんともない料理なのだが、とにかくセン・ヤイを楽しむなら絶対的にクア・ガイに出会っておいてほしい。これを食べずしてセン・ヤイを語ってはならないのだ。

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