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日本にあってタイにないもの【コンビニ飯編】

 タイには、セブンイレブンを中心にして、ファミリーマート、ローソンといったコンビニエンスストアがある。近年は大手スーパーのミニマートがコンビニ的存在として各地に出てきている。それから、郊外などには個人経営の商店がコンビニ風に営業している。

 ただ、タイのコンビニは日本のとはまったく違う。まずタイのコンビニはトイレを貸してくれない。それから、日本のようにスーパー並みに生活に必要なものが揃うという感じではない。最近はだいぶ品数も多くなったけれども、日本の便利さと比較したらタイのコンビニはまだまだだ。

 そんな中、コンビニ飯がだいぶ充実してきた。特に日本人にはありがたいラインナップでうれしい限りだ。あくまでも「だいぶ充実してきた」だけで、まだ日本には及ばないけれども。

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 かつては日本に行くときはなにを食べるかリストアップするくらいの楽しみがあった。タイの和食がおいしくなったのはここ10年とちょっとくらいの話で、それ以前は和食は素人料理という感じで、おいしくない店も少なくなかったからだ。

 今現在はそれが充実してきたので、わざわざ日本で食べたいものがだいぶ減った。タイでもどうにか食べられるので、そこまでして食べたいというわけではない。

 ところが、そんな中ではコンビニの弁当やおにぎりなどはタイになかったので、日本滞在の際にはちゃんとした店に行くよりも、むしろ安いコンビニ飯が食べたいと思うようになってきた。

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 しかし、それももう昔の話だ。今は日本から輸入した食べものもあるし、日本の有名メーカーが日本の菓子をそのまま出すようになってきた。

 タイでは何十年も前からポッキーはあったが、たぶんチョコレートの成分配合とかは日本と違うと思う。おそらく気温とかの関係でしょう。だから、日本とは味が違う。コーラも日本とは成分配合が違うと思う。ところが、今のコンビニ並び始めた日本にもある菓子などは、ほぼ日本と同じ味になっている。

 生クリームのケーキ的なものも増えてきたし、ついにはコンビニおにぎりもタイに来た。初めて目にしたときは衝撃的だった。ついにこれが来ちゃう? って驚いたものだ。

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 何年前だったろうか。コンビニおにぎりがまずセブンイレブンに登場した。とはいっても、味はツナマヨと鮭照り焼きか塩焼きくらいで、種類は多くない。一時期は納豆巻きもあった気がするのだが、そういえば最近見かけない。

 サイズは日本と比較すると若干小さい気がする。タイ人は1食の量が少ないので、それに合わせたのでしょう。

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 開け方も日本と同じだ。そして、海苔が切れてしまい、うまく出せないところも同じである。

 コンビニおにぎりというのは、ボクが小学校中学年くらいのときに販売されるようになったと記憶している。そのころからパッケージは変わっていない。弱点でもある海苔が切れることも改善されないでいる。車のワイパーに通じるものがあって、すでに完成形になっているためか、これ以上は改善・改造ができないのでしょう。

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 日本のコンビニおにぎりは基本的にはご飯の中央に具が入っているはず。しかし、タイのコンビニおにぎりはご飯部分も少ないからなのか、満遍なく広く具材が入っている。そもそも量は少ないのだが、このメリットはどこから食べてもすぐに具に行き着くことだろうか。

 これによって、日本に行ったらコンビニおにぎりも食べよう、という選択肢がなくなった。とはいえ、日本のクオリティーにはタイのおにぎりは届かないので、日本で楽しむべき部分はいまだ多い。最近だとパリパリの海苔ではなく、弁当のおにぎりを巻いた海苔のように、最初からパッケージ内で巻いていて海苔がしなっているバージョンも日本にはあるでしょう。これはタイにないので、案外楽しかったりする。

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 とにかくタイのコンビニは、特にセブンイレブンを中心にして日本のコンビニ飯が充実してきている。タイのセブンの開発部門に日本人が入ったのではないかと思うレベルだ。

 ただ、日本のコンビニ弁当はまだタイにはない。タイ料理の弁当はだいぶ種類が増えた。豚塩カルビ丼みたいなものがあるにはあるが、ガパオライスの弁当など、タイ料理の方が充実している。

 あとは、冷凍食品も増えている。この棚の中には枝豆などのほか、日本式の弁当系もある。日本のサーモンの弁当みたいなのがあるが、味はかなりがっかりすると思う。それ以外ではとんこつラーメンがあった。味としてはそこそこにイケるとは思う。

 ただこのラーメンには難があって、自宅の電子レンジで温めると蓋の隙間から大量のとんこつスープが沸騰して噴き出す。日本の弁当とかラーメン系のもので、こんな事態になるものなんてないでしょう。

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 何年か前にこのカレーが登場したときも、コンビニおにぎりの発売と同じくらい衝撃的だった。これこそ、そのまま日本の味と言っても過言ではない。先の豚塩カルビ丼は麦飯的なものが入っているものの、量も少ないし、味自体がこれぞ和食という感じではない。なんというか、タイ人の舌にやや迎合しているというか。

 しかし、このカレーはすごかった。冷凍ではないし、噴き出すこともない。米もちゃんと日本米だったはず。カレーと米が別々なので、味も混ざってなくていい。なにより、普通に日本のカレーとしてもかなりの水準だと思う。むちゃくちゃおいしいのだ。

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 カレーと同時リリースされたとみられるラインナップにこのカツ丼もある。カツ丼はカレーと比較すると食感はいまいちかも。味もカレーの完成度に比べるとやや劣る。でも、タイのコンビニでこのレベルと思うと、感動ものであることは間違いない。あくまでもカレーの完成度が高いだけなのだ。

 最近はこのタイプのコンビニ飯に別のメニューも出てきたようだ。ただ、カレーやカツ丼などこれらはバンコク中心地のみにしかない。うちのような郊外の方になるとたまに気まぐれに並ぶ場合があるものの、まず手に入らない。このあたりもやっぱり日本のコンビニ飯に劣る部分かなと思う。まるっきりなかった時代から比べたら十分進歩したけど。

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