●自愛と自己愛について「改心の理 3」
一般的に自愛とは「自分を大切にすること」や「自分の体に気をつけること」の意味で、人を思いやる言葉として「ご自愛ください」と使われておりますが、これは、一見、聞こえも品も良く、相手を思いやっているように思えるのですが、全く異なる本質を理解していない誤った言葉なのです。
自愛の本当の意味は、生物の有する「食べる事、疲労すれば休息の為に就寝し、子孫繁栄の為の性欲」など生命や身体を維持し、自らを発展、成長させる為の、生物的な本能であり無意識の自己保存の愛であります。
また、真の自愛から、自身の欲が無意識に生み出され、次第にその度合いを増して自愛が過剰になる事、あるいは自らが求め自らに向いている愛の事を自己愛と言うのです。
例えば、一般的に身体を最低限維持できる食事として質素な精進料理でも維持は出来るのですが、身体を維持する為であっても毎日同じものでは無く、より美味しい食事を求めるなどの欲が生じます、この欲は欲を生み、それが当たり前の如く自然に無意識に移行するので気が付かないのです。
このような事から体欲も自愛も長い年月をかけて次第に度合いを増す事に自身では全く気が付かずにいるのです。
一般的には、このように真の自愛を理解せずに自愛を「労わりや思いやり」の言葉であると誤って理解して使用されているのです。
本来の「ご自愛ください」の意味ですと「肉体的本能のままに我慢しないでください」「体欲の求めるがままにしてください」と言っている事になるのです。
また、一般的な自愛の意味として「ご自愛ください」と人に伝え、その言われた人が実際に「自分を大切に体を気をつけている人」に対して、あの人は「自愛の優れた人」 または 「自愛の強い人」 や 「自愛を大切にしている人」 などとは言わない筈です。
この言葉は、むしろ褒め言葉ではなく非難した言葉であり、その非難する事を人にして下さいと言っているのです。
つまり、自愛とは思いやりの言葉ではないのです、本当に思いやるのでしたら「お体にお気を付けください」や「お大事にしてください」、「自分を大切に養生されてください」 などが適切な言葉なのです。
このように自愛とは、自らが本能的に身体をを維持する為に無意識に自己保全する事であるので、自愛という言葉は「人から言われるものでなく」また「人に言うものでもなく」、「自らも言うべきものでなく」自らに内在するものなのです。
また、目的や目標を果たす為に深く思考し弛まぬ努力をして得られた経験こそが自らに内在する誠の自信となり、これが正しい自愛でもあるのです。
ですが、一般的に言われている自信とは、何の根拠も中身のない空の自信であり、これは人に見せたり知らしめる為だけの自信であるので、慢心し過剰になるので自信過剰となるのです。
これらを混同、曲解しない為に、皆さんには「自信は要らない」とお伝えしているのです。
※ 後日「真の自愛について」をお知らせします。
厳瑞
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