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考察:バークシャー・ハサウェイが購入シリウスXM($SIRI)を買った理由
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
投資の世界では、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが選ぶ企業は大なり小なり常に注目されます。
2024/10/18のニュースで、バークシャー・ハサウェイがシリウスXMホールディングス(SIRI)に投資を行ったことは、多くの投資家にとって重要なシグナルとなっています。
この記事では、シリウスXMの強みとバークシャーの投資決定が示す意味について確認と考察をしてみました!
シリウスXMとは?
シリウスXMホールディングス(NASDAQ: SIRI)は、アメリカを拠点とする衛星ラジオおよびオンラインラジオのサービスプロバイダーです。
同社は多様なコンテンツを提供し、特に自動車市場との強固な提携を通じて広範な顧客基盤を築いています。
シリウスXMの強み
独自のコンテンツ:ハワード・スターンなどの有名パーソナリティやスポーツリーグの専用チャンネルを有し、他社では得られない独占的なコンテンツを提供。
自動車市場での支配力:多くの自動車メーカーと提携し、新車にシリウスXMのラジオサービスが標準搭載されることで安定した顧客基盤を確保。
多様なプラットフォーム:衛星ラジオだけでなく、インターネットラジオやオンデマンドストリーミングサービスも提供し、車内外での利用を可能に。
安定したサブスクリプションモデル:月額課金モデルにより、継続的な収益を確保。
◆まず前回Q2の決算プレスリリースを確認
売上高、EPS、ガイダンス
売上高:21.8億ドル(前年同期比3%減)
広告収入:4億4,300万ドル
純利益:3億1,600万ドル(前年同期は3億1,000万ドル)
1株当たり利益(EPS):0.08ドル(前年同期と同じ)
調整後EBITDA:7億200万ドル(前年同期と同水準)
フリーキャッシュフロー:3億4,300万ドル(前年同期比6%増)
2024年通期ガイダンスの再確認
売上高:約87.5億ドル
調整後EBITDA:約27億ドル
フリーキャッシュフロー:約12億ドル
セグメント別業績
SiriusXMセグメント
売上高:16億ドル(前年同期比5%減)
自己支払加入者数:3,148万人(前年同期から42.3万人減)
有料プロモーション加入者:177.3万人(前年同期から38.3万人減)
総売上総利益:9億8,600万ドル(前年同期比6%減)
売上総利益率:60%(前年同期より1ポイント低下)
Pandoraおよびオフプラットフォームセグメント
売上高:5億3,800万ドル(前年同期比2%増)
広告収入:4億ドル(前年同期と同水準)
自己支払加入者数:600万人(前年同期から41,000人減)
売上総利益:1億8,000万ドル(前年同期比18%増)
売上総利益率:33%(前年同期より4ポイント増)
業績の達成・未達の原因
SiriusXMセグメントの売上減少は、自己支払加入者数の減少と1ユーザー当たりの平均売上高(ARPU)の低下が主な原因。
調整後EBITDAの前年同期比横ばいは、売上減少にもかかわらず、コスト削減と効率化によるもので、特に人件費やサービスコストの削減が貢献。
Pandoraセグメントは、プログラマティック広告収入の成長により広告収入が増加し、コスト削減が利益率の改善に貢献。
投資家への重要メッセージ
同社は2024年通期ガイダンスを維持しており、Liberty Mediaとの取引完了後にキャッシュフローガイダンスを修正する可能性があると示唆。
今後の戦略として、SiriusXM Free Accessなどの新たなサービスモデルを提供し、潜在的な加入者とのエンゲージメントを強化。
※個人的感想としては、う〜んとなるなんとも言えない内容でした…
バークシャー・ハサウェイの投資決定の背景は?
バークシャー・ハサウェイがシリウスXMに投資を行った背景には、InvestingProでは強調するいくつかの肯定的な指標があります。
以下にそのポイントを整理します。
魅力的なP/E比率
シリウスXMは現在、2024/10/19現在P/E比率が8.36、2024年第2四半期時点での調整後P/Eは6.99でした。
これは同業他社と比較して確かに非常に低い水準でしょう。
低いP/E比率は、短期的な収益成長に対して市場が過小評価している可能性を示しており、価値投資の観点からは大きな魅力となります。
ウォーレン・バフェットのような長期的視点を持つ投資家にとって、これはシリウスXMの株式が潜在的な価値を持つことを示唆しています。
安定した配当政策
シリウスXMは9年連続で配当金の支払いを維持しており、これは同社の財務の安定性を示しています。
現在の配当利回りは3.85%であり、過去12ヶ月間の配当成長率は9.92%に達しています。安定した配当は、投資家にとって魅力的な収益源となり、長期的な投資先としての信頼性を高めます。
強い株価パフォーマンス
InvestingPro Dataによると、シリウスXMの株価は過去1か月間で18.65%という大幅な上昇を記録しています。
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この短期的な株価の勢いは、アナリストによる今年度の収益予測の向上と相まって、投資家の関心を引き付けています。
バークシャー・ハサウェイのような大手投資家が株式を保有増加させる決定を下した背景には、シリウスXMの今後の成長可能性に対する強い期待があるとしか考えられません。
決算は今月10月29日予定です。
競合他社
シリウスXMが市場で優位性を保つ一方で、競争も激化しています。
主な競合他社には以下のような企業が挙げられます。
1. iHeartMedia(iHeart)
iHeartMediaは、世界最大のラジオ放送企業であり、全米に多数のラジオ局を保有しています。伝統的なラジオ放送に加えて、iHeartRadioというオンラインストリーミングプラットフォームも展開しており、広範なリスナー層を持っています。
iHeartMediaは広告収入やイベント開催を通じて多角的な収益モデルを構築しており、シリウスXMと直接競合する分野も多い。
2. Spotify
Spotifyは、音楽ストリーミングサービスのリーディングカンパニーとして、世界中で広く利用されています。利用している方も多いのでは?
音楽のみならず、ポッドキャストやオリジナルコンテンツの提供も強化しており、シリウスXMと競合する分野が多いです。Spotifyはパーソナライズされたおすすめ機能やプレイリストの多様性でユーザーを引きつけており、デジタル広告事業も拡大しています。
3. Apple Music
Apple Musicは、Appleが提供する音楽ストリーミングサービスで、Apple製品との連携が強みです。音楽のみならず、Apple PodcastsやApple TV+などのサービスと統合されており、エコシステム全体でユーザーを囲い込んでいます。高品質なオーディオや独自のコンテンツ提供により、プレミアムユーザーを獲得しています。
4. Amazon Music
Amazon Musicは、Amazonが提供する音楽ストリーミングサービスで、Amazon Echoなどのデバイスとの統合が強みです。プライム会員向けの特典として提供されるため、既存のAmazonユーザーにとって利用しやすい環境が整っています。広告付きの無料プランやプレミアムプランを提供し、多様なニーズに対応しています。
5. TuneIn
TuneInは、オンラインラジオとストリーミングサービスを提供するプラットフォームです。多様なラジオ局やスポーツ、ニュースコンテンツを提供しており、シリウスXMと同様に幅広いリスナーに対応しています。特にスポーツ中継やライブイベントのストリーミングに強みを持っています。
6. Pandora(Spotifyの一部)
Pandoraは、パーソナライズされた音楽ストリーミングサービスを提供しており、広告ベースの無料プランも提供しています。現在はSpotifyに買収されており、Spotifyのサービスと統合されています。これにより、より強力なデジタル広告事業と広範なユーザーベースを持つこととなり、シリウスXMと競合する場面が増えています。
シリウスXMへの投資をするのか?4つ考えた
低評価の魅力:現在の低P/E比率は、シリウスXMが市場で過小評価されている可能性を示しており、バリュー投資の観点から購入のタイミングかもしれません。
安定した収益基盤:サブスクリプションモデルと安定した配当政策により、継続的な収益を期待できます。
強固な市場ポジション:自動車メーカーとの長期提携や独自コンテンツにより、競合他社に対する優位性を保持。
成長の見込み:デジタル広告事業の強化や新しいコンテンツの投入により、さらなる収益成長が期待されます。
結論と感想
バークシャー・ハサウェイによるシリウスXMへの投資は、多くの投資家にとって注目すべきシグナルかもしれません。
でもバークシャーも運営は人間です。
間違うことも多々あります。
しかし、低いP/E比率、安定した配当、強力な市場ポジション、そして最近の株価パフォーマンスは、シリウスXMが魅力的な投資先であることを示しているのは事実。
長期的な視点で見たとき、シリウスXMは確かな成長基盤と安定した収益を持つ企業として、ポートフォリオに加える価値があるのでしょうか?
私にはよくわかりませんでした。
結論:私は買いません。
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