同時代性の罠を避ける投資の知恵:著書~「タイムマシン経営論」の示唆から学ぶ~
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
現代の経営や投資において、「同時代性の罠」は大きなリスクとなりえます。これらの罠を避け、投資に活かすためにはどのように考えるべきなのでしょうか。
本記事では、数年前の著書で、楠木 建氏と杉浦 泰氏の共著『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』で提唱されている3つの「罠」—「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」を取り上げ、投資家視点での考察を行いました。
あくまでも個人的な意見となりますので、ご参考程度でお願いします。
1. 飛び道具トラップ:流行に惑わされる危険
■ 飛び道具トラップとは
目新しいテクノロジーや話題性の高いアイデアに飛びつくことで、短期的な流行に振り回され、長期的な視野を失う罠とのことです。
■ 例えば投資における具体例ですと
バブル経済の反省
2000年代のドットコムバブルでは、収益性が不明確なテクノロジー企業が高く評価され、多くの投資家が損失を出しました。NFTや仮想通貨の急騰
近年ではNFTや仮想通貨が急成長しましたが、実態のないプロジェクトへの投資は飛び道具トラップに陥りやすいです。
■ 回避のためのヒント
長期的な収益モデルがあるかを検証する。
一時的な流行に惑わされず、企業の本質価値(ファンダメンタルズ)を評価する。
2. 激動期トラップ:変化の波に飲まれる危険
■ 激動期トラップとは
激しい市場環境の変化に対応しようと焦りすぎるあまり、持続可能な戦略を見失う罠です。
■ 投資における具体例
コロナショック後の市場変化
コロナ禍で急激に需要が増えたオンラインサービスやEコマース企業への過剰な投資が、その後の需要低下に伴い問題となりました。金利上昇局面の資産配分
利上げ局面で短期的な利益を追求し、長期的な成長株のポジションを手放す投資行動もこの罠に含まれます。
■ 回避のためのヒント
市場の変動に動揺せず、長期的なビジョンに基づいて投資判断を下す。
環境変化を過去の事例と比較し、安易な決断を避ける。
3. 遠近歪曲トラップ:近視眼的な判断の危険
■ 遠近歪曲トラップとは
近い未来の出来事に過剰に注目し、長期的な視野を見失う罠です。
■ 投資における具体例
四半期決算への過剰反応
株価が短期の決算結果に影響されるケースは多いですが、長期的な企業価値は四半期決算の数字だけで決まるものではありません。ニュースの感情的インパクト
世界的なニュース(例えば戦争や自然災害)に反応して、資産を急いで動かすこともこの罠に該当します。
■ 回避のためのヒント
短期のノイズに惑わされず、長期的な視点を持ち続ける。
過去の市場データを分析し、一時的な変動と長期トレンドを区別する。
近過去の歴史を検証する重要性
タイムマシン経営論では「近過去の歴史を検証すること」で変わらない本質が浮かび上がると指摘されています。
これは投資家にとっても同じです。過去のバブル崩壊や市場の変動を学び、未来への教訓を得ることで、「同時代性の罠」を回避する力を養うことができます。
まとめ:歴史を学び、罠を回避する投資家になる
飛び道具トラップ:流行に惑わされない。
激動期トラップ:変化に焦らず長期的視点を持つ。
遠近歪曲トラップ:近視眼的な判断を避ける。
投資は未来を見据えた決断が重要ですが、同時に近過去の歴史に学ぶことで大きな失敗を防ぐことができます。過去の経験を活かし、確固たる投資戦略を築いていきましょう。
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