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確認:日本人の海外旅行、この30年でどう変わった?

こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
今回は投資と少し離れます。
私は以前書きましたがホテルマンの営業職でしたので、為替には結構敏感な業種でした。ドル円だけでなく、ユーロも随分気にしていました。

あのリーマンショック後から東日本大震災の円高でインバウンドやビジネスでの外国人がガクッと来なくなったことは今でも鮮明に覚えています。

余談はさておき、ここ30年の日本人の海外旅行者数(アウトバウンド)の推移を振り返り、その背景にある要因を探ってみましょう。

2024年5月24日には、日経からこのようなニュースも出ています。

国内旅行最大手のJTBは24日、2025年3月期の連結営業利益が前期比53%減の116億円になる見通しだと発表した。人工知能(AI)人材や新卒採用の強化で人件費がかさむほか、旅行事業のデジタル化への投資が響く。海外旅行は歴史的な円安が続き、新型コロナウイルス禍前への回復が遅れている。旅行各社は国内・海外旅行に次ぐ第3の柱の育成を急ぐ。

日経より引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC169BI0W4A510C2000000/

参考:1987年頃から現在のドル円の推移

ドル円チャート:investing.comより

バブル崩壊から回復へ (1990年代~2000年代)

1990年代、バブル崩壊後の景気低迷や円高の影響で、海外旅行者数は減少傾向にありました。

しかし、2000年代に入ると経済が回復し、LCC(格安航空会社)が登場。海外旅行がより身近になり、2000年代後半には年間1,700万人台を記録するまでになりました。

東日本大震災、そして過去最高のアウトバウンドへ (2010年代)

2011年の東日本大震災やそれに伴う円高の影響で、アウトバウンドは一時的に減少。しかしその後は回復し、2019年には過去最高の約2,000万人を記録しました。

未曾有の危機、コロナショック (2020年~)

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、各国で渡航制限が実施され、アウトバウンドは激減。2020年は約300万人、2021年は約20万人と、過去最低水準となりました。

回復の兆し (2022年~)

2022年以降、各国で渡航制限が緩和され始め、アウトバウンドは回復傾向にあります。2023年3月には、121万人を超え、2019年比で75.7%まで回復しました。

現在の円安傾向について

円安は2023年以降のアウトバウンドの回復に影響を与えていると考えられます。

https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/outbound/より引用
https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/outbound/より引用

円安のプラスの影響

  • インバウンド増加: 円安は訪日外国人観光客(インバウンド)にとって魅力的であり、彼らの消費が国内経済を活性化させ、結果的に海外旅行への関心を高める可能性があります。

  • 海外での購買力低下: 円安により海外での購買力が低下するため、海外旅行の魅力が相対的に低下し、国内旅行や近隣諸国への旅行にシフトする動きも考えられます。

  • しかし、最近では日本国内のホテルも円安で高騰しております。外国人からしたらさほど高く感じないからです。ホテル業界は現時点では嬉しいでしょう。

円安のマイナスの影響

  • 海外旅行費用の増加: 円安は海外旅行の費用を増大させ、旅行者の予算を圧迫します。特に航空券や宿泊費などの高額な費用は、円安の影響を受けやすいです。

  • 海外旅行への心理的ハードル上昇: 円安による費用増加は、海外旅行への心理的なハードルを上げ、旅行をためらう要因となる可能性があります。

まとめ:総合的な影響

円安は、確かにアウトバウンドの回復にプラスとマイナスの両方の影響を与えています。
現在のアウトバウンドの回復は、新型コロナウイルス感染症の収束や渡航制限の緩和、そして旅行需要の回復といった要因が複合的に作用した結果と考えられます。
円安の影響は、これらの要因と比較すると限定的である可能性があります。

ただし、円安傾向が長期化すれば、海外旅行費用の上昇がより顕著になり、アウトバウンドの回復を抑制する可能性も否定できません。今後の為替動向や旅行業界の動向を注視していく必要があるのも事実でしょう。



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個人投資家 Taka Chan
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