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第十三回:ウォーレン・バフェットの教え - レバレッジの危険性と、レバレッジ商品のメリットやリスクを解説

こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。

このテーマ第13回目のブログを迎えることができ、大変嬉しく思います。

今回のテーマは、伝説的投資家ウォーレン・バフェットが1991年春にノートルダム大学での談話で語った言葉に基づいています。

バフェット氏は、特に過度なレバレッジ(借入金)に関する警告を発しており、その洞察は現代の投資環境にも深い示唆を与えています。

まずは以下の講演談話をご覧ください。

極端なレバレッジは一般的にはマイナス面が大きかったと思います。『巨額の借金をして企業を買うのは、自分の胸に切先を向けた短剣をハンドルにつけて、車を運転するようなものだ』と言う例え話がよく言われてきました。(この例えはそれなりに正しいのが厄介なところです)。」

そんな車を運転すると確かに良いドライバーになるでしょう。

極めて慎重に運転するに違いありません。
それでもいつかは小さな穴や氷のかけらを踏んだりして肝を潰すことになります。事故を起こす確率は減るでしょうが、毎日事故にあったら無事ではすみません。

ウォーレン・バフェット1991年春ノートルダム大学での談話より

それでは解説したいと思います!




レバレッジの危険性:バフェット氏の例え話

バフェット氏は、企業買収に巨額の借金を用いることについて、次のような鋭い例えを述べています。

「巨額の借金をして企業を買うのは、自分の胸に切先を向けた短剣をハンドルにつけて、車を運転するようなものだ。」

ウォーレン・バフェットが1991年春にノートルダム大学での談話より

この例えは、一見極端に聞こえるかもしれませんが、その核心には深い真実が隠されています。

レバレッジを多用することは、企業経営や投資活動において大きなリスクを伴うという警告です。

過度なレバレッジのマイナス面

  1. 財務的圧力の増大
    巨額の借金を抱えることは、企業にとって大きな財務的負担となります。利息の支払い義務や返済期限が迫る中で、キャッシュフローの確保が困難になる可能性があります。これは、企業の柔軟性を著しく低下させ、市場の変動に対する耐性を弱めます。

  2. 経営の自由度の制限
    高いレバレッジを利用すると、経営陣は借入金の返済に多くのリソースを割かなければなりません。その結果、研究開発やマーケティング、新規事業への投資など、将来成長に繋がる活動に資金を回す余裕がなくなります。

  3. 破綻リスクの増加
    バフェット氏の例えにあるように、慎重な運転を心掛けても、予期せぬ「小さな穴」や「氷のかけら」によって事故(経営破綻)を起こすリスクは避けられません。特に経済環境が悪化した場合や業績が低迷した際、負債の返済が困難となり、企業は破綻の危機に瀕します。


レバレッジをできる限り避けるべき理由

バフェット氏の警告は、単なる理論的なものではなく、実際のビジネス環境においても多くの企業が経験している現実です。

過度なレバレッジは、一時的な資金調達手段としては有効かもしれませんが、長期的な視点では企業の健全性を損ない、持続可能な成長を妨げます。

そもそもレバレッジとは何か?

レバレッジとは、投資家が自己資金以上の資金を運用する手法を指します。

具体的には、借入金やデリバティブ(金融派生商品)を利用して、元手となる資金に対して何倍もの投資を行うことです。
要するに金がないのに借りた金で投資ができると言うのです。

これにより、資産の価格変動による利益や損失が拡大します。

例えば、自己資金が$10,000あり、2倍のレバレッジをかける場合、実際には$20,000分の投資を行います。

市場が上昇すれば利益は2倍になりますが、逆に市場が下落すれば損失も2倍になります。このように、レバレッジはリターンを増幅させる一方で、リスクも同様に高まる点に注意が必要です。

よく聞く話し、レバレッジETFとは?

レバレッジETF(Exchange-Traded Fund)は、特定の指数(インデックス)の動きを2倍、3倍などの倍率で追従するよう設計されたETFです。

これにより、投資家は少ない資金で大きなポジションを取ることが可能となります。
レバレッジETFは、短期的な投資戦略やヘッジ目的で利用されることが多いです。

一般的な米国のレバレッジETFの例

以下に、米国市場で広く取引されている代表的なレバレッジETFをいくつか紹介します。

  1. ProShares Ultra S&P500(スーパースパー500、ティッカーシンボル: SSO

    • 概要: S&P 500指数の1日の動きの2倍を目指します。

    • レバレッジ倍率: 2倍

    • 特徴: 大型株に連動するため、米国株式市場全体の動向に敏感に反応します。

  2. Direxion Daily Financial Bull 3X Shares(金融セクター、ティッカーシンボル: FAS

    • 概要: 金融セクターの指標(例えば、Financial Select Sector Index)の1日の動きの3倍を目指します。

    • レバレッジ倍率: 3倍

    • 特徴: 金融株に特化しているため、金融市場の動向に強く影響されます。

  3. ProShares UltraPro QQQ(ナスダック100、ティッカーシンボル: TQQQ

    • 概要: ナスダック100指数の1日の動きの3倍を目指します。

    • レバレッジ倍率: 3倍

    • 特徴: テクノロジー株を中心とするナスダック100に連動し、高成長セクターに投資する投資家に人気です。

  4. Direxion Daily Small Cap Bull 3X Shares(小型株、ティッカーシンボル: TNA

    • 概要: Russell 2000指数の1日の動きの3倍を目指します。

    • レバレッジ倍率: 3倍

    • 特徴: 小型株市場に特化しており、成長ポテンシャルの高い企業に投資したい場合に適しています。

レバレッジETFのメリットとリスク

メリット

  • 高リターンの可能性: 市場が予想通りに動けば、レバレッジをかけることで通常よりも高いリターンを得ることができます。

  • 資本効率の向上: 少ない資金で大きなポジションを取ることが可能となり、資本の効率的な運用が可能です。

  • 短期投資戦略に適している: デイトレードや短期的な市場の動きを狙った投資に適しています。

リスク

  • 高リスク・高リターン: レバレッジをかけることで利益が増える一方、損失も同様に拡大します。市場が逆方向に動いた場合、大きな損失を被る可能性があります。

  • 複利効果の影響: レバレッジETFは毎日のリターンを基に設計されているため、長期保有すると複利効果やボラティリティの影響で期待通りのパフォーマンスを発揮しないことがあります。

  • コストの増加: レバレッジを維持するための経費(運用コストや金利費用など)がかかり、これが長期的なパフォーマンスに影響を与えることがあります。

レバレッジETFを利用する際の注意点

  1. 短期的な視点で運用する: レバレッジETFは1日の動きを追従するよう設計されているため、長期的な保有は避け、短期的なトレンドを捉えるために利用することが推奨されます。

  2. リスク管理を徹底する: 高いリターンを狙う分、リスクも高まるため、損失を最小限に抑えるためのストップロス注文などのリスク管理手法を活用しましょう。

  3. 市場のボラティリティを理解する: 高ボラティリティの市場では、レバレッジETFの価格変動も激しくなるため、市場環境をよく分析した上で投資を行うことが重要です。

まとめと投資家としての教訓

投資家として、この教えから学ぶべきことは明確です。
企業の財務構造を評価する際には、レバレッジの程度を慎重に見極めることが重要です。
過度な負債を抱える企業は、一見高いリターンを期待できるように見えるかもしれませんが、その背後には大きなリスクが潜んでいます。

また今回説明したレバレッジETFは、適切に利用すれば短期的な利益を狙う強力な投資ツールとなり得ます。
しかし、その高いリターンには相応のリスクが伴うため、投資家は自身のリスク許容度を十分に考慮し、慎重に運用することが求められます。
基本短期です。

次回も引き続き、投資に役立つ情報をお届けしますので、お楽しみに!

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