寡黙な朝食

これといって食欲はないけど 惰性で愛を口に運ぶ
孤独も 疑いも 噛み砕けぬまま飲み込む

対面式のキッチンで君が切り刻んだやりきれない思いも
残さず 平らげ 「美味しかったよ」と言えればいいのに

何を思い 冷めたスープを啜る?
擦れる食器の声が 誰ともなく責めている

僕と出会うより以前から 君は君であるその道理
知っている お互いに だから口に出来ず 三角コーナーへ

でも もっと触れたい フォークを持つその手に
苦いコーヒーの味を 君から直に教えて

本当はもっと触れたい 洗い物なんかより先に
この場で伝えたい 君が食べ終わる前に

#294 07/04/17

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