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指導教官としてのアドバイス① 段階を提示する

今年度は3年生の学年主任(兼担任)、進路指導部、初任者の指導教官をやっております。そろそろ分身の術を身につけたい。

さて、初任者の指導教官という、ワクワクする役割。自身の授業も反省するいい機会です。私が重視している音読活動とかパフォーマンステストとかICT活用とかに関して、

思う存分、洗脳、いや、味方を増やすことができる

のでね・・・(純粋に英語教育界を盛り上げたい気持ちです)

で、研修の一環として、授業見学をさせてもらい、アドバイスをしています。

その時その時で、「次の授業に活かせる」ことを一つ、伝えていこうと思っています。

今回は、

クラス内で取り組みに差が出てしまう時の対処法

を伝えました。
特に差が出るものの一つとして、「本文理解に関するQ&A」を例に挙げます。

教科書内容に関して、英語での質問に対して、英語で答えを書くというアレです。
授業見学で観察していたら、「どんどん書く生徒」と「手がつけられず、先生の解答を待って写す気しかない生徒」に分けられます。後者の生徒も、別に授業に対して「大人しく真面目に受けている」と本人も思っている場合も多いです。

授業観察において、「すべての生徒が、能動的に取り組んでいるか」は重要なことだと思います。そして、それを、生徒自身のやる気だけに結びつけるのは苦しい。
だって、どうしていいかわからないんですもの、生徒は。

だから、生徒が到達すべき目標に対して、逆算して考え、どうステップを踏めばいいかを教員が生徒に提示すると良い、と私は考えます。

「本文理解に関するQ&A」については、
①答えは本文に必ずある。どこの箇所のことだろう?
②直接の答えになる箇所はどこだろう?(What, When, Who)
③設問に対して、どういう英文で答えればいいだろう?

一番生徒がつまづくのは、もちろん③です。定期テストなどでは、この解答の仕方がまずくて点にならないことも、生徒はよく知っています。

だから、正しい正解文を知って覚えた方が早い

という発想になってしまっている・・・

もちろん、指導する側としては、答えを覚えるのではなく、答えを導けるようになってほしい。

だから、①、②のステップの後、③ができるようにはどうすればいいか、をちゃんと授業で指導すべきです。

逆にいうと、たとえば会話などでは、②までで十分であり、②までできていたら「もうちょっとだよ!」と励ましたいのです。

だから、
①→本文のどの箇所か探して、線を引いてみよう!
②→単語でもいいから、書き出してごらん!

これは、多分全員できるはずだから、まずこれをやろうね、と声がけすることで、
「何もしないお客さん状態(=受け身100%の状態)」の生徒をなくす。

じゃあ、みんなが本当に困っている③に関しては、
設問の疑問文の英文のSVを繰り返すのが原則、といった形で、
毎回、SVの繰り返しを説明する・・・と、だんだんできるようになってきます。

そうでなければ、(あくまでうちの学校の場合ですが)
何でもかんでもIt is…で始めたり、
名詞の複数形をTheyで置き換えるのがわからなかったり、
などの課題が解決されないままなのです。

授業は、答えを教える場ではない。勉強の仕方、取り組み方を伝える場である

と私は常々生徒に伝えています。

①、②までは早い。③ができるようになるまでは、かなりの時間を要しますが、
ステップを細分化することで、毎回の授業での小さな目標、課題を生徒と共有することができます。

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