瞼を閉じても

瞼を閉じても
目の前がまだ明るい
あなたは自分のことが嫌いで
いつか恥辱を味あわせたいと
そう願ってる
眠れない夜は
かつての相手の指先を思い出す
そうすることで
軽々と深みから抜け出せる
闇の中
先の見えない溝に落ちてゆく
私は言葉ではしごを作る
欲望で綱を編み込む
体をしっかりと縛り付け
誰かが引っ張り揚げるのを待つ
耳の奥から
岩が動く音がする
眠るには丁度いい
指を動かす度に関節が聞こえる
そんな静かな夜
私はあなたを知らない
あなたはあなたが嫌い
私も
私が大嫌い

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