耳をふさいで

耳をふさいで
何も聞かなくていい
瞼を開けていても構わない
だけど何も見ようとはしないで

身を溶けることに任せて
沈んでゆくことに任せて
もしもそれに逆らうようなら
どうにもできない居心地と盲目で
あまりの苦しみに
助けを求める声も出ないから

誰の耳にも感じられない氷の中で
僕はすべての音をかき消してなお存在する気泡と化す
周りの壁に冷やされても
周りと同じような氷となることができない
この空間はいつまでも満たされることはないから

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