取り返しのつかない言い訳だった(途中)
取り返しのつかない言い訳だった
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What is the most harsh is
to say goodbye
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あの分厚い風が途端に弱々しくなったから
その肌寒さを忘れてはいけないと思った
宝物を手放そうと何度か思ったことさえも
今では自分とは別の人間だったのではとさえ思える
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どこかに開くドアがあるはずだった
だけど、どこにあるかなんて誰にも分からなかったよね
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その"かたち"は息をした
吹き返した様だ
空気を遮る手をのけて
埋もれたままのその姿は
何かに似ている様だった
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涙を流すほどでもない距離の
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鏡が怖くなることがある
自分が怖いのかもしれない
心を隠しきれずに
裸になるのが恐ろしくて
慣れてきたはずなのに
ここまで生きてきたのに
心の隠し方なんてお手のものだった
なのに今はどんな表情なのか自分ですら分からない
自分に掻き乱される自分自身に
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不足していることがあって初めて
足りない何かの存在を究極に際立たせることができる
不自由が自由を
障害が障害のないものを
蒼白が鮮血を
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裏返ったままの
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落ち葉(dead leave)(自殺したkotaさん)
裏返したままの手紙
無理して書いただろう整った文字
だけど上下にうねりながら言葉は並び
ひとときに気を許し背筋を伸ばしてみた
そんなあなたをクスリと笑う
あのまま時は進まないよ
進まない、時計を壊したから
こんなわがままにその眉をひそめるのなら
凪いだ水面を揺らしたわたしはこんなにも幸せ
波紋が広がる余地もない
今はもう枯れ果てたその水溜まりに
葉が落ち、地を肥やし
新芽を育み、その道を譲る
ほら、こんな風に
意味を成すことだってある
だから、このまま時は進めない
あなたのことを思い出すのに
ゼンマイを巻く必要などない様に
日を増すごとに遠ざかる
目を瞑るたびに小さくなる
時間はそのままで動かないはずなのに
だとしたら裏切り者は
わたしの方か
あの温もりを凍らせて
進まない
どうやったってもう
裏返したままの手紙
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