毒素よ、抜けろ(Ryan)
毒素よ、抜けろ
全身を脆く崩れさせるような
鎧をこんなにもふやかせるような
気持ちの細部に隙間ない光を浴びせ
こんなにも躊躇いを解き明かしてしまうような
こんなにも辱めを与えてしまうくらいの
この熱く戸惑う黒点よ
疾走する心のフレアよ
真っ当と気狂いとの狭間よ
それでもひとところに滴ろうとする単衣の想いよ
届かぬ所へ伸ばそうとする指先よ
しかし忘れたか、そんなに痛みを甘んじて
もう一度と、同じ苦しみに堕ちるのを知って
憎っくき豊潤よ
渇きの底に染み入る後悔よ
愛しき哀しみよ
目も当てられない愚かな純情よ
早く、抜けろ
この、毒素よ