花壇は何も囲ってくれやしない
花壇は何も囲ってくれやしない
ただ生かされているだけ
雨に濡れたらすぐに溶けてしまう
美しさだけを載せただけ
そこに息を吹き込めば
空虚を巡った声だけ帰ってくるだろう
そこに指先でさえ届かない
ならばどうやってこの重力でなど
元に戻れない
同じ足跡はもう辿れない
同じ場所はもう返らない
あの二人はもういない
あなたは何も語ってやくれない
ただ間を延ばしているだけ
ほんの少し、その陰りを突けばいい
すれば心地いい夢だったと分かる
失ったものは戻らない
何をその隙間に埋めようとしても
なかったことにできるはずがない
他にどうやって身代わりを探そうと