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野良デザイン#02|カスタマイズ窓格子

こんにちは、デザイナーの眞木です。

街に散らばる匿名の工夫「野良デザイン」の蒐集をテーマに、街歩きがもっと楽しくなるような記事を投稿しています。

窓格子に付加される機能たち

人通りがまばらな住宅地を歩くと、防犯のため金属の格子がはめられた窓を目にすることができます。

格子には”すだれ”が掛かったものもあり、道路に面した1階の窓では、人の出入りを防ぐだけでなく、歩行者の視線を遮ることも必要なようです。


今回出会った野良デザインは、玄関脇の小窓の格子の活用です。

防犯のために掛けられた窓格子。それは人の出入りを防ぐ障害物であると同時に、色々なものを固定するのにちょうど良い、玄関脇の機能拡張のプラットフォームにもなるのです。

目隠しの塩ビ波板やポスト、虫除けなどが配置されています。

目隠しの波板は、幅1cmもない格子にネジで固定されています。仕事が細かい!

仕事の繊細さと、寄せ集めの雑多さが共生する感じがグッときます。

よく見ると、活用されていない穴も空いている。
元々別の活用があったのか、波板目隠しの場所を調整した跡なのだろうか。

波板いろいろ

ちなみに、街で見かける波板にもいくつか種類があるそうで、金属製のものと樹脂製のものに2分できます。

金属では、簡易的な壁や屋根に使われることの多いトタンや、駐輪場の屋根などで見られるメッキ加工されたガルバリウム鋼板ですね。樹脂にも強度のあるポリカーボネート製や安価な塩ビ製のものがあるそうです。

今回目隠しで使われているのは塩ビ製の波板なのですが、ガラスネットと呼ばれるガラス繊維で編まれたシートが樹脂に挟まれているものです。(白い格子模様に見えているところですね)

元々強度が弱く、劣化が早い塩ビ波板を補強する目的で作られたものですが、白く濁ったような不透明さが、目隠しとしてもうまく機能している点が面白い!

それにしても、右端のクリップたちにはどんな役割があるのだろうか。
不在伝票を挟んだり、雑巾を干したり…
みなさんはどんな想像をしましたか?


では、また次の記事でお会いしましょう。
バイバイ👋