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野良デザイン#190|看板のネットスタンド

とある郊外の町内会が管理する共同ごみ収集所。曜日ごとに定められたごみの分別表を示し、またごみの集荷場所を示す役割も担う立て看板に、カラス避けのネットが掛けられている。情報を掲示するための道具が、ネットを保管する道具として活用されているのだ。

セメントを固めて成形された土台に金属パイプが固定され、板金が取り付けられた看板。その板金の上辺に、畳まれたネットを掛けることで、ネットが地面の砂塵や雨水に浸かることなく、清潔な状態で保管されている。看板の幅に合わせて、ネットが畳まれている点からも、本地域の自治の几帳面さが読み取れる。

高度経済成長期を経て、都市部への人口集中を背景に、山を切り開き開発された人工町。モダニズムから生じた人工的な郊外コミュニティには、長い時間をかけて醸造されたきた地方コミュニティや都市部での新陳代謝の早いコミュニティと比べ、システマチックな運営が根付いているようだ。

Habitat|Hyogo, Japan