野良デザイン#96-100|パレットのバンパー
こんにちは。
本来の用途を超えて活用される道具「野良デザイン」。
街に溢れる工夫の数々に、生活のリアルと、道具の可能性を探る試みです。
野良デザイン#96|コンクリードブロックの缶ホルダー
そういえば、外で缶の飲み物を飲むのが苦手です。缶コーヒーにいちごミルク、美味しい缶入りの飲料は数あれど、ペットボトルと違って蓋の出来ない缶の飲み物は、プルタブを開けるのに覚悟がいるように感じています。開けちゃったら、一気に飲まなければならないプレッシャー。あれが苦手なんです。
ゴミ箱が近くにあれば良いですが、そんな時に限って、空き缶を片手にブラブラ。そのままカバンに仕舞おうものなら、中に残った微量なジュースがたらり。かといって、自販機のゴミ箱の前で一気に飲み干すのも、なんだか違う気がする。
そんな同じ悩みを抱えた同士がいたのか。砂漠でオアシスの幻を見るが如く、道のそばに見つけたコンクリートブロックが、缶を3つほど保管できる缶ホルダーに見えたのでしょう。
持ち主にとっては至極迷惑なことですが、コンクリートブロックの穴が空き缶にぴったりなことを見つけた発見力に脱帽です。
野良デザイン#97|ゴミ袋のサドルカバー
クラックの入ったサドルの合皮は、愛車と走り重ねてきた日々を物語ます。
でも、そのクラックに雨水が染みて、晴れた日にお尻を濡らす不快感は、確実に嫌なことベスト5に入ります。
大切な愛車と更なる思い出をつくりながら、不快な思いをしないよう、ビニール袋で防水コーティングをしたようです。
野良デザイン#98|ビールケースの看板スタンド
お酒の場に欠かせないビール瓶のケース。その可能性は無限大。
少し背の低い掲示板の視認性を高めるように、ビールケースで嵩を増した張り紙に出会う。
掲示物を見る人のことを思った、心優しい野良デザイン。
野良デザイン#99|ガードレールの物見台
京都で市民マラソンがあった日の光景。車線規制がされ、道路沿いには多くの観客がつめかけ選手を鼓舞する。
そんなスポーツの祭典を支える一人が、交通整備員。警察署から派遣されたのでしょうか。
人混みや、遠くまで見通すお仕事のため、ガードレールを足場に、電柱に設置された機械箱を台と手すりとして活用している。
寒い中、道中の安全のために立ち続けるその姿に、スポーツの普及には、スポーツに関わる人以外の働きもあることを知る。
野良デザイン#100|パレットのバンパー
とある植物園の駐車場にて。鉄骨造の2〜3階を菜園型店舗として運営されているお店の1階には、来場者用の駐車場として活用されていました。
鉄骨の柱がところどころに生えた空間。決して広くない駐車場の接触事故のダメージを軽減するため、プランターをまとめて置いておく樹脂製のパレットが、柱にくくりつけられ、バンパーとして機能している。
その固定には自転車のタイヤチューブが使われている点もおもしろい。
その場で手に入るもので、用を足す。純度の高い野良デザインを見ました。
最後までご覧いただきありがとうございます。
また次の投稿でお会いしましょう!
眞木孝明