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野良デザインの蒐集

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本来の用途の枠を超えて使われる道具たち。街で出会った匿名の創意工夫「野良デザイン」の蒐集をテーマに、街を歩くことがちょっぴり楽しくなるような記事を投稿しています。
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2024年3月の記事一覧

野良デザイン#187|フラワーバケットのパイロン

とあるスーパーマーケットの車両用通路に立つパイロン。馴染みの赤色の足元は、黒い樹脂製のケーシングで覆われています。その正体は商用の花を保護・流通するためのバケット。「ELFバケットシステム」という流通システムで使われているもののようです。 パイロンの四角形の脚が切り取られ、逆さまに置かれたフラワーバケットに差し込まれています。スタックできるバケットの形状を活かし、2つのバケットが重ねられ、結束バンドで固定されている点も特徴です。 パイロンの設置面積が小さくスリムである点や

野良デザイン#186|タイヤの高欄

常夏の国マレーシア。日本から7時間ほど離れた空港から一歩出ると、高い湿度と暑さに包まれます。熱帯雨林らしい若草色の景色を背景に、マレー系、中華系、インド系と、多様な文化と人種が入り混じる興味深い土地。 そんなマレーシアの郊外で見つけた野良デザイン。車両用のゴムタイヤが、公道の脇を流れる用水路に架かる、橋の高欄(=落下防止用の柵)として機能しているのです。 直径60cmほどのゴム製のリングが地面に対して垂直に立てられ、その4分の1ほどが道路のセメントに埋められ、橋からの人や