走ることは本能_85kmの挑戦と長距離ランの大切な3つのこと
先週末に、大人3人で日本橋から小田原駅まで、85kmほど走ってきました。
走っていない方だと、距離に驚かれるかもしれません。
人間は、2足歩行の動物です。2本の足ではバランスが悪いため、立ち続けることが難しく歩いたり、走ったり移動することに適した構造をしています。
人類の長年の生活を考えると、歩くこと、運ぶとこなど身体を動かして使ってきた歴史が長いことは想像に難しくありません。
人間本来の可能性が活かせれば、長い距離は移動できるはず。
そんな気持ちで、実験する中で、私も気がついたら85kmは普通に走れるようになってました。
どうして走ったか?
今回は、55歳Tさんと38歳Nさんと私の3人で走ってきました。
目的は、「夜、長距離を走る練習をしたい」Tさんをサポートすることが一番の目的でした。
Tさんは、2024年6月に人生初の砂漠のステージレースに挑戦されます。
距離は250km。その中、4日目、5日目あたりに80kmのロングマーチ(オーバーナイト)があります。
夜暗い中を走る練習をしてみたいこと。
人生で最長がフルマラソンの42kmで、それ以上の距離が未知数なので走ってみたいとのことで、2ヶ月ほど前にスケジュールだけ決めて、土曜日の21時から走る約束をしました。
いつか砂漠を走ってみたいと、私が2016年にサハラ砂漠マラソンにチャレンジした頃から考えていたそうです。
当時は、40代後半で仕事も、子育ても忙しく時間を作ることもできず、とてもエントリーできる環境ではなったそうです。
そんな状況の中、2022年日曜飛脚 東海道五十三次「からだの使い方挑戦企画」に参加していただく時がありました。
多くの方が参加していただいたイベントでしたが、その中に、公認会計士のA先生がみえました。
A先生は、私がUTMB(160km獲得標高10000m)を完走した2022年8月の姿をみて、自分もやってみたいと思ってしまったそうです。
私が、そもそも対して運動できないことを、以前から知っていたからでしたが。。笑
私が、フェイスブックで完走した姿を投稿して、火がついてしまったそうです。
UTMBはポイントやトレイルもあり短期間では難しいですが、私がかつて完走した2016年サハラ砂漠マラソン250kmは、7日間でできるため、チャレンジしたいと、2023年春に砂漠挑戦を目標に参加してくれていました。
A先生のスタート時点の体力目安(2022年9月)
・毎年富士山に須走口で往復していた。
・皇居を5km走れる
そこから、東海道を一緒に走れるところまで走り、
心臓の検査を受け、身体の使い方を徹底的に改善し、
2023年4月 MDSサハラ砂漠250km完走されました。
この時のチャレンジが、Tさんのゴビ砂漠マラソンへの挑戦を決める決定打になったそうです。
Tさんの環境は、仕事の関係で4月のサハラ砂漠は厳しいが
レーシングプラネットのゴビ砂漠の2024年6月であればいけると思い切って挑戦されています。
2023年秋から本格的に練習開始され、練習方法や装備なども、私の経験の中で、サポートしてきました。
今回は、その最後の練習として、夜間とロングの練習を一緒にしてきました。
東海道五十三次のイベントって
2022年に、日本橋から京都まで、毎週日曜日に8週続けて、走ったイベントです。
”走って届けること”を職業にしていた飛脚と、カラダの使い方について、”人間が長く走る技術”について、抑えきれない衝動からやってみることにしました。
飛脚が現代にいないですが、
話せなくても、同じ距離を走れば、なにかわかるはず。
詳しくはこちらへ。
http://takaakinakano.com/toukaidou2020/
無事に、2022年10月から8週間に渡って毎週日曜日に移動して京都までいきました。
各種メディアにも取り上げていただきました。
https://www.chunichi.co.jp/article/585338
トータルでかかった時間は96時間ほど。のべ300人ほどの方が参加してただ気イベントは無事に終了しました。
確信したのは、人間は走る動物であること。
走る中で、カラダが健康な状態に変わってくることでした。
今も断言できることは、
走れない大人は、決して健康ではありません。
車や電車が無い時代であれば、歩いて生活、走って移動するしか手段がありません。人間本来は、歩くこと走ることで健康になるように出来ています。
3人のランニングレベル
◯38歳Nさん
学生時代よりバスケット。
運動を一度も辞めたことがない38歳。ウルトラマラソンになぜか挑戦して完走する。2023年サロマ湖100kmマラソンを一緒に走る。
走力は高いが、前半に突っ込みすぎて私にカムイワッカで抜かれてしまう。
その後、広島湾岸トレイル110km完走。奄美大島ウルトラマラソン完走。
まだトレイル数回で、世界最高峰のUTMBの次なる200マイル、トルデジアンに挑戦。
今回でも安定の心拍も一番低く、110ぐらいで走り続ける能力があります。
まだフルマラソンは走っていません。w
◯55歳Tさん
学生時代はアメフト歴あり。22歳で運動終了。
以前一度フルマラソン完走まで、姿勢改善で実績あり。
この数年走っていなかったものの、東海道五十三次のイベント再度走り出す。
2022年秋から、ジョギング再開。2023年秋から、高尾山トレーニング開始。10回上り下りをして、体重10kg減量とともに20km超は余裕をもってはしれるようになる。
現在最長距離42km
2024年6月レーシングプラネット、ゴビ砂漠マラソン250km7日間に挑戦。
◯仲野孝明 50歳
学生時代ほぼ運動なし。ちょっとだけサッカー部中学時代。
健康のために運動が大切とわかりながら、運動しないまま38歳へ。
38歳から、「正しい姿勢があれば、なんでもできる」として実験開始。
自らの姿勢のノウハウを、実践してフルマラソン完走から、
泳げないところからアイアアンマントライアスロンを11ヶ月で完走。
サハラ砂漠マラソン完走、アタカマ砂漠マラソン世界22位完走。トレイルの最高峰UTMB完走、UTMF2022完走。国内外42レース完走。
2024年現在、フルマラソン 3時間20分
長距離を走る時に大切なこと
長い距離を走る時に大切なことは、3つあります。
1)心拍数をあげすぎない
2)痛みを理解する
3)休憩を早めに
1)心拍数コントロール
超ロングの走り方で気をつけることは、心拍コントロールです。
決して上げすぎてはいけません。
3人がカロスを利用していました。(バーテックス2)
心拍計測は上腕にて計測のため、ほぼブレはありません。
3人とも、走力が違うことがポイントです。
超ロングは、有酸素運動範囲無いで走ることが絶対条件です。
乳酸閾値を下回っていれば、有酸素運動になっており理論上は、ずっと走ることができるゾーンになります。
私のカロスデーターです。
乳酸閾値心拍数 LT値
159
有酸素運動と無酸素運動の切り替えの閾値になります。
この閾値を、LT値 乳酸性閾値(≒無酸素性作業閾値)といいます。
159 の心拍数以上であれば、無酸素運動になります。
ランニングウォッチを使っている方は、この数値はいつもチェックしておきましょう。
練習の基本になります。
<ランニングウォッチの心拍計 計算式>
LT値=(最大心拍数ー安静時心拍数)×0.75+安静時心拍
※違っていたらごめんなさい。
3人で走る時は、この心拍数で、一番運動能力が低いTさんのレベルにあわせていきます。
ランニング中に聞いていることは
「いま心拍いくつですか?」
止まった時には、心拍は下がるので、どこまで下がっているかをチェックしています。
信号で止まっても心拍が下がらない場合は、すでに運動しすぎです。
120以下に落ちるレベルは必修だと考えています。
今回の平均値
Nさん 110
Tさん 145〜155
私 120-130
2)痛みを理解する
長距離を走ると、必ずどこかに痛みが出現します。
この痛みには、本当に問題がある痛みと、疲労による痛みがあります。
痛みが出現した時に考えることは、痛みを軽減させることができるか。
姿勢をチェックする
・足が並行か?
・上半身が起きているか?(背伸び感)
・リラックスできているか?
・コアが意識できるか?
・肩甲骨・鎖骨から腕が動くように動いているか?
・背骨は、本来の形状になっているか?
・骨盤から動いているか?
これらのチェックで、消える場合は姿勢です。
長時間走ると、ずっとジャンプしている動作と同じなので、膝や足首などに疲労を感じることは多いのですが、悪化していく痛みでなければ姿勢の意識で変わることが多いです
痛みが軽減させることができない場合は、構造的に問題がありそのまま使用すると悪化させますので中止することが最適です。
今回は、痛みの確認も、走りながらや休憩中にもこまめに行っていました。
3)休憩を早めに
長距離を走る場合や、移動する場合は、どうしても休憩なしで動きたくなりますが、できるだけ元気な時に休憩していくことがとっても大切です。
今回の85kmは
1時間に10分ほど休憩して、走っていたつもりでした。
ですがデーターを見直すとやはり後半は休憩時間が長くなっていました。w
日本橋→小田原へ 国道1号線
日本橋 0km 21:06 スタート
高輪 6.3km 22:10 約5分
蒲田 15.8km 23:35 約10分
生麦 25.4km 01:05 約20分
瀬戸ヶ谷 35.8km 2:56 約10分
戸塚吉田 42.6km 4:12 約20分
藤沢 52.3km 6:11 約20分
茅ヶ崎 60.4km 7:41 約30分
大磯 68km 9:26 約40分
国府津 79.8km 11:57 約20分
小田原 85km 13:10
合計85km
移動時間 11時間55分
総時間 16時間7分
平均ペース 8'24"
STRAVAでもチェックできます↓
最後に
走っていないと、走ることが特別の感じるかもしれません。
でも、想像してみてください。
人生の最後まで、走ることができたら。
自分の行きたいところに、自分の足で移動ができる。
食べたいものを、食べることができる。
多くの方が介護を受ける生活で亡くなっているのが現代です。
人生最後の10年、走れる体であれば、人生を振り返った時に
「いい人生だったな」と思えるのではないかと、姿勢治療家は考えています。
いつか走ってみたいは、ちょっと走ってみる小走りから。
”身体の車検(R)”で、骨格構造をチェックして、壊れない一歩を走り出してみませんか?
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家(R)仲野孝明