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JR全線完乗の旅/第46回埼京線他/2019年1月6日

藤沢お休み便。2019年最初の旅は赤羽駅からスタート。昨年はGWの東北行き以降、7月に旅の計画を立てていましたが台風と重なり中止。その後も「西日本豪雨」による山陽本線の不通が物流を直撃。その結果仕事が多忙を極め、気がついたら年を越していました。

■東北本線埼京線(赤羽〜大宮)E233系7000番台

埼京線は運転系統の通称で、正式には山手線の一部・赤羽線・東北本線の支線(別線)という成り立ち。既に東北本線・山手線・赤羽線は完乗しているので、今回は赤羽駅からの別線部分を乗車します。

東北新幹線の建設が騒音問題で地元住民に反対され、通勤新線を併設する事で解決したという歴史はとても興味深いです。首都圏屈指の通勤路線に充当された最新鋭のE233系電車は、市街地の中を新幹線と寄り添いながら高架線を進み、大宮駅地下ホームに到着しました。

■川越線(大宮〜川越)E233系7000番台

川越線の大宮駅から川越駅までは、埼京線と一体の運転系統になっています。

■川越線(川越〜高麗川)209系3500番台

川越駅から高麗川駅までは、今度は八高線の八王子駅から一体の運転系統になっています。埼京線系統の10両編成から短い4両編成に変わり、単線と相まってぐっとローカル色が出てきました。

■高麗川駅/八高線キハ110系

高麗川駅で八高線の気動車に乗り換えて、秩父方面を目指すことにしました。前職の旅行会社時代にも訪れていない所で、どんな観光地かとても楽しみです。

■寄居駅/秩父鉄道7500系

寄居駅で秩父鉄道に乗り換え、長瀞(ながとろ)駅で下車。駅から5分程歩くと「長瀞渓谷」が広がります。

長瀞渓谷は東京の都心を流れる荒川の上流部にあたります。地質学的には地球の内部を垣間見るような珍しい地形だそうで、「地球の窓」と称されています。写真は幅50m長さ600mも続く「岩畳」。

岩畳の対岸にある壁は、三国志に出てくる赤壁に似ていることから「秩父赤壁」と呼ばれています。

今回は乗船しませんでしたが、荒川ライン下りもあります。

長瀞渓谷に沿って約2kmほど散策して、隣の上長瀞駅まで来ました。長瀞駅で秩父鉄道が運行するSLのパンフレットを発見。ちょうど通過時間になるので、待つことにします。

ところが待っている僅か10分程の間に、砕石等を運搬するホッパー車を可愛い機関車が牽引する貨物列車が2本も通過。予想外の珍客にとても驚きました。

お目当ての蒸気機関車C58に牽引された列車「SLパレオエクスプレス」が通過。それにしても不思議な名前です。

上長瀞駅の近くある「埼玉県立自然の博物館」を訪問しました。埼玉で見られる岩石・鉱物・化石・地層などを展示しています。

【画像は埼玉県立自然の博物館HPより】

博物館の外に立つ「日本地質学発祥の地」の碑。長瀞は明治時代から地質学的に重要な場所として知られ、大正時代には前身の施設が開設されました。

目玉は謎の海獣「パレオパラドキシア」の骨格標本。秩父市で発掘された絶滅した哺乳類の化石です。なるほどSLの列車名の由来となる見応えのある展示でした。

引き続き秩父鉄道に乗って秩父駅で下車。秩父地方の総鎮守である秩父神社を参拝しました。まだまだ初詣の人でいっぱいです。

荒川源流の秩父地方は、江戸の水源として重要視され、徳川家康が現在の社殿の建立を命じました。極彩色の装飾や彫刻が、日光東照宮を思い起こさせます。

拝殿の左側には左甚五郎作と伝わる「子宝・子育ての虎」の彫刻があります。

さらに本殿右側にあるのは、同じく左甚五郎作とされる「つなぎの龍」。近くの池に住みついた龍が暴れると、この彫刻の下に水たまりができていました。そこで、この彫刻を鎖でつなぎ止めたところ、龍が現れなくなったという物語が伝わっています。

境内に、秩父祭「山・鉾・屋台行事」ユネスコ無形文化遺産登録決定の垂れ幕。そこで隣接する「秩父まつり会館」を訪問しました。

【画像は秩父地域おもてなし観光公社HPより】

西日本にずっと住んでいるので、秩父夜祭の事を全く知りませんでした。京都祇園祭や飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭の一つとして数えられ、江戸時代から300年以上の歴史があるそうです。

館内は吹き抜けになっていて、国の重要文化財でもある大きな屋台を間近に見ることができます。

笠鉾は花笠がとても特徴的で美しい造形でした。実際の祭りでは2台の笠鉾に4台の屋台が曳き回されるとのこと。「秩父まつり会館」では祭りの様子が優美に再現されており、花火大会も含めた師走の風物詩を実際に見てみたいと強く思いました。

会館の外に出て、秩父神社や夜祭と強い関わりがあると知った武甲山(1304m)を仰ぎ見ました。ところがその山容は驚いたことに、山肌は山頂まで削られた跡の連続。調べると良質の石灰岩が採掘されるそうで、なんと山が低くなったと書かれています。上長瀞駅で見た貨物列車は石灰石を運んでいたのかと納得するも、山の信仰はどうなったのか疑問が深まりました。

■西武秩父駅/西武鉄道4000系

西武秩父線に乗って東飯能駅まで戻り、次の路線「相模線」を目指します。秩父地方への鉄路は、昔は国鉄高崎線の熊谷駅から秩父鉄道がメインルート。しかし、1966年(昭和44年)西武秩父線が開業すると、長大トンネルを経由することで首都圏と短絡しました。

【画像は西武鉄道公式Facebookより】

小学生の頃に百科事典で見た特急「レッドアロー」号は、開業と同時に走り出した花形特急だと改めて知りました。

東飯能駅からJR八高線と横浜線を乗り継いで橋本駅に到着。

■相模線(橋本〜茅ヶ崎)205系500番台

初訪問の秩父地方を堪能してしまい、相模線の走破はすっかり夜で車窓を楽しむことはできません。歴史を調べると今回完乗する各路線は、太平洋戦争で首都が攻撃された際に東北本線と東海道本線を結ぶため、急いで建設や私鉄の国有化がされたようです。そう思って旅の計画を立てたわけではないのですが、なるほどそのようになっていると関心しました。

東北本線 埼京線
(赤羽〜大宮)
18.0km
川越線
(大宮〜高麗川)
30.6km
相模線
(橋本〜茅ヶ崎)
33.3km

今回乗車 81.9km
【通算】 9454.0km

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