JR全線完乗の旅/第49回吉備線他/2019年8月11日
■総社駅/伯備線115系
岡山お休み便。岡山駅から山陽本線・伯備線経由で総社駅に来ました。これから吉備線の完乗を目指します。
JR西日本は駅名標のラインカラーが特徴。これから乗車する吉備線は、桃太郎伝説ゆかりの吉備路を走ります。そこで、桃色がラインカラーとなり、路線名も桃太郎線という愛称で統一されています。
■吉備線(総社〜岡山)キハ47系
総社〜岡山間は山陽本線・伯備線経由よりも短いのですが、非電化で単線のため所要時間は若干長くなります。岡山市北西部のベッドタウンを走る列車は、日曜の朝にもかかわらず途中駅から多くの乗車があり、2両の短い編成は立ち客で通路も埋まって岡山駅に進入しました。
吉備線の沿線は、備中国分寺の五重塔や、羽柴秀吉の水攻めで知られる備中高松城跡など見どころが豊富です。残念ですが今回は時間の関係でパスして、次の赤穂線に向かいました。
■赤穂線(東岡山〜香登)115系
山陽本線の東岡山駅から分岐する赤穂線は、海側を山陽本線に平行して走り、兵庫県に入って相生駅で再び山陽本線に合流します。途中に長船(おさふね)駅がありますが、その隣の香登(かがと)駅で下車して瀬戸内市の「備前長船刀剣博物館」を訪問しました。
長船は日本刀の一大産地で、長船物は最高級ブランドでした。その成り立ちには、長船の立地条件が重要な要素だと知りました。
木次線の回で学びましたが、中国山地は砂鉄や火力の元となる木材が豊富です。それら原材料の運搬を、岡山県を南北に流れる吉井川(岡山三大河川の一つ)の舟運が担います。河口の町長船で日本刀に加工され、山陽道や瀬戸内海の海運で全国に広まったようです。
ちょうど訪問日は月に一度の古式鍛錬公開日で、刀の原材料の玉鋼が打ち延ばされる様子を見学が可能。しかし、私は門外漢で知らなかったのですが、刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞」の一大ブームもあって、黒山の人だかりで何も見えません。
ところが、炎燃え盛る鍛刀場は、猛暑日の岡山よりもはるかに高温。一人減り二人減りで、1時間の公開の最後には、火花に当たりながら最前列で見学できました。
戦国時代に、刀の需要と長船での刀の生産はピークを迎えました。その後、豊臣秀吉の天下統一と刀狩、加えて同時期に吉井川の大氾濫もあり一気に衰退したそうです。
■赤穂線(香登〜播州赤穂)115系
続いて播州赤穂駅で途中下車。赤穂といえば「忠臣蔵」が思い浮かびます。そこで、四十七義士を祀る赤穂大石神社を訪問しました。
もともと赤穂浪士を称賛する人々により、赤穂城内の大石邸内に小さな祠が設けられ、密かに祀られていたそうです。明治33年に神社の創建が政府から許可され、「大願成就」の神として崇敬を集めています。
参道の両脇には、大石内蔵助をはじめとする四十七士の石像がズラリと並びます。討ち入りを果たした12月14日に毎年開催される「赤穂義士祭」はとても有名で、兵庫県民だったのでそのうち訪問しようと思いながら果たせませんでした。
2014年に東京都墨田区の、討ち入りのあった吉良邸跡を訪問しました。また、前職の添乗で愛知県西尾市の吉良温泉を訪れた時に、地元では吉良上野介は慕われていると聞きました。あらためてご当地を訪ねる面白さを痛感します。
赤穂のご当地グルメは鱧(はも)料理らしく、鱧の天丼をいただきました。
■赤穂線(播州赤穂〜相生)223系
播州赤穂はJR西日本の屋台骨である「アーバンネットワーク(京阪神都市近郊区間)」の西端で、新しい223系が顔を出します。子供の頃に神戸へ遊びに行くと、帰りは播州赤穂行きの快速電車で家路に。京都駅や大阪駅でも「播州赤穂行きが入りまーす。」はアナウンスの定番でした。
今は無くなりましたが、東の終着駅には安土行きがありました。社会の授業中に安土桃山時代が出てきて嬉しかった事を覚えています。歴史が好きになったのは、鉄道ファンだったからかもしれません。