再婚・養子縁組をしたら養育費は減額できる?支払わなくてよい?

多治見の弁護士木下貴子(@多治見市,多治見ききょう法律事務所)です♪
令和6年が始まりました。明けましておめでとうございます。本年もどうぞ,よろしくお願いいたします。読んで下さり,ありがとうございます。

新年早々災害もあり,不安も感じる始まりとなりました。
この度の被害のお見舞いを申し上げますとともに,一日も早い復旧を心からお祈り致します。

私自身は,今年も,自分ができることを続けていきたいと思っています。

無料メールマガジンの読者(男性)さんから少し前に,以下のようなご質問をいただきましたので,お答えしました。

「私の再婚するパートナーも一度結婚を失敗しており養育費をもらっていました。
子供が元夫に「お母さんが結婚する」と言ったそうです。
元夫は私のパートナーに、
「養育費は⚪︎月まで、今後は払わない」
「今まで通りの面会」(略)
という、一方的な主張をしてきました。(略)

私は、勿論子供は養子縁組にいれるし、養育費無くても構いません。
そしてお金が全てではありませんが、別居親が出来る事は「養育費」を支払う事しか出来ないのに、それを拒否するなんて。。。

そこで、
1.養子縁組に入れた場合の養育費の支払う義務の有無の再確認。
2.減額されるパターン。
3.算定法
4.内縁の場合の養育費

ここら辺を是非ご教授して頂きたいです!
皆さん気になる内容だと思います。」

このご質問に対して、「再婚・養子縁組した場合の養育費」をテーマに弁護士木下がお話しました。

無料メルマガ読者さん(男性)が自分自身が再婚して,再婚相手の連れ子と養子縁組を考えている場合に,離婚した元妻が内縁または再婚している様子が見受けられることから,これまで自分自身が支払っていた養育費を減額できるのか,という疑問とともに,再婚した妻の元夫は、再婚するから、今後は養育費を支払わないと言われているけれどどうなるのか,などに関する再婚(内縁)や養子縁組をした場合の養育費の支払いに関する疑問にお答えしながら,「再婚・養子縁組した場合の養育費」のポイントを3つお伝えしています。

離婚後、再婚したり、再婚相手の子と養子縁組をする場合、元妻との間の実子の養育費の支払いがこれまで通りにすることは難しい、とよく言われます。
また、離婚した元妻が再婚したり、内縁関係の男性がいる場合、元妻と一緒に生活する実子への養育費は減らしてもいいのではないか、と言われることも多いです。

どのような場合に養育費の減額を請求できるのか、については、誤解も多いので、裁判所の考え方を知っておくことが重要です。
特に、再婚相手が養子縁組をするによって、どのような責任を負うのか、については、誤解が多く、養育費をもらっていた側(多くは母親)は、これまでもらっていた養育費がもらえなくなってしまう場合もありますので、注意が必要です。

養育費を支払う側である男性が再婚したら、これまで支払ってきた養育費は減額できる?
養育費を支払う側である男性が再婚して、再婚相手の連れ子と養子縁組したら、元妻と一緒にいる実子に支払っている養育費は減額できる?
再婚して、再婚相手の女性の子と養子縁組をしたら、どのような責任を負う?再婚相手がもらっていた養育費に対する影響。
離婚した元妻が再婚した場合、養育費を減額できる?
離婚した元妻が再婚した場合、養育費が増額になる場合がある?
離婚した元妻が再婚して、再婚相手の男性と自分の実子が養子縁組をしたら養育費は減額できる?支払わなくてよくなる?
再婚ではなく、内縁関係の場合、養育費を減額する理由になる?

養育費の減額を請求される側,
ご質問のケースではご質問者の元妻や再婚相手の女性側にとっては,

元夫が再婚して,勝手に養子縁組までして
養育費を減額される,ということに
納得がいかない,と言われることも
多いのですが,

この問題は,どの立場で考えるかで
大きく「公平感」が変わる場面です。

そのため,実際には,
このような場合に,裁判所は
どのように考えるのか,

その「考え方」「判断基準」を知って,
自分が今出来ること,を
考えていくことが大切だと
私は思っています。

それぞれの立場で守るべきものあり,
利益の調整が必要な場面ですが,

ご質問者のメッセージにもあった
面会交流と同様に子のために別居親ができる大事なこと,
養育費も「子の利益」のためのもの,

養育費は子のために支払われるもので,
払うことで,子どもさんにとって
親の愛が伝わる,とても
嬉しいものだと思いますので,

私としては,これを念頭に置いて
調整してもらえたら,と思っています。

このようなこともあって,
子の養育義務,責任を持つ人の変動を伴い,
「子の利益」にも大きく関わる
養子縁組をすること自体について,

現状,自己の配偶者の直系卑属
(本ケースで言えば再婚相手の連れ子)
を養子縁組とする場合には,

家庭裁判所の許可は不要,と
なっていますが,今後は
裁判所の許可を必要とすべきか,

親権者でも監護者でもない
実親(多くは別居親)を関与させるべきか,

今話題とされている共同親権が導入された場合には,
実親(多くは別居親)を関与させるべきことになるのではないか,

問題とされています。

離婚後に再婚などで,
家族関係に変更がある場合に,
誰が責任をもって子を育てていくべきか・・・

離婚後も,実子の養育責任,義務は,
その後,再婚,養子縁組などがあっても,

引続き,実親(別居親)が
第一次的な責任者であるべき,
という考え方もあり得るでしょう。

そうでないと・・・

再婚相手との養子縁組を認めることで,法的には養育費を支払う第一義務者であることを免れる,結果として養育費を支払わなくてもよくなるという意味での経済的利益を得る形となる実親(別居親)が,自分の利益とも関係する養子縁組の許諾について関与する際に,純粋に「子の利益」のためだけに判断ができるのか・・にも注意が必要に思っています。

この辺りは,人によって
「公平感」「正しさ」「こうあるべき」という
「考え方」が違うところかな,と思います。

しかし,現状においては,
裁判所がどのような「考え方」で判断しているのか,
を知った上で,進めて行くことが,

「こんなはずではなかった」
「こんなこと,納得いかない」と

後悔したり,不公平感を
感じたりすることが
減るのではないかな,
と思ってお伝えしています。

様々な立場から,どんなことが
今生じているのか,民法改正したら
どんな問題が生じうるのか,考える
きっかけにもなったら嬉しいです。

安心して進むためのお役に立ててもらえたらと思います。

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