《週刊セットプレー 2023》vol.18
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◆中央を空けて、そこにフリーで走りこむ
V・ファーレン長崎 vs ツエーゲン金沢の試合について取り上げます。
長崎の4点目はPA横の距離がある位置のFKから生まれました。
このセットプレーの初期配置はこちらです。
〈守備側〉
マンマークを中心としたゾーンとマンマークの併用での守備をしています。
壁に1人(②)、ゴール前1人(③)、ゾーンを埋めつつPA外の選手への対応している選手2人(④,⑪)がいます。
残りの選手はマンマークをついています。
〈攻撃側〉
6人がPA内に入っての攻撃をしています。
ボールよりにポジションを取っている3人(➏,➐,➑)はニア方向に走り、中央にスペースを空けています。
大外から動き始めた⓫(得点を決めたフアンマ選手)は空いた中央のスペースに走りこむように動き出しています。
ファーサイド寄りの2人(➒,➓)は、大きな移動はせずに、中央に向かって走る⓫のマークである⑩がついていくことを困難にしています。
結果的に、空けたスペースにフリーで走りこんだ⓫が良い状態でヘディングをして、ゴールが決まりました。
強烈な個を持った選手がベストな状態でヘディングが出来るように、他の5人が黒子になった素晴らしいゴールでした。
◆ゾーン中心の守備は脆いのか!?
セットプレーの守備は主に
・完全にゾーン
・完全にマンマーク
・ゾーン中心の併用
・マンマーク中心の併用
の4種類に分けられます。
今回は、ゾーン中心の併用での守備が失点したシーンを取り上げ、その特徴と弱点について書いていきます。
FC今治 vs カマタマーレ讃岐の試合での今治の2点目はCKから生まれました。
讃岐は、ゾーンを中心としたゾーンとマンマークの併用での守備をしています。
ゾーンを中心としているため、PKスポット付近から走りこむ攻撃側選手全員にマークをつくことはできません。
結果的にこの写真でのフリーの選手がヘディングで合わせてゴールが決まりました。
合わせた位置はゾーンの守備がカバーできていたかどうか際どい位置でした。
”ボールに合わせて走りこんでジャンプヘッドができる”という攻撃側の有利な条件があり、完全にゾーンで守っている位置にボールが来ても高い確率で守れるわけではないという状況になってしまっています。
◆一度ニアに動き出しておく
マンマークでの守備を受けている時、ボールが蹴られるタイミングで一度ボール方向に動き出してからDFの背中側を取ることはとても有効です。
理由はシンプルで、守備側がボールとマークを同一視野内に入れることが難しくなるからです。
個人でできる簡単な駆け引きですので、まず取り入れたい攻撃側の戦術です。
・植田選手(鹿島)
一度ニアに動き、固まっている選手たちを壁に使ってマークとの距離を取ってヘディングをしてゴールを決めました。
・山本選手(長野)
ニアに横移動をしてからバックステップでマークとの距離を取り、DFの視野から完全に消えることに成功して、ヘディングでゴールを決めています。
◆過去記事
◆取り上げた試合のハイライト映像
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