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【W杯】日本vsコスタリカの全CKを振り返る+FK2つ【セットプレー】
グループリーグ第2戦の日本vsコスタリカでのセットプレーを振り返ります。
◆試合データ
ワールドカップ グループステージ
2022年11月27日(日)
@アフメド ビン アリー スタジアム
日本 vs コスタリカ
0 - 1
得点者:
81分 ケイセル フレール(コスタリカ)
≪日本のCKを振り返る≫
A.前半1分10秒頃~
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※番号は日本のみ背番号
・コスタリカの守備
10人での守備をしています。
”マンマークを中心としたゾーンとマンマークの併用”での守備をしています。
唯一➍のみがゴールエリア内ニアのゾーンを守っています。
・日本の攻撃
ニアサイドのスペースで合わせにいき、ゴール前に流されたボールに詰める選手も走り込むという攻撃をしています。
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中央にいる㉑上田はCKが蹴られるタイミングでにゴールエリア角のスペースに動き出します。
この時⑥遠藤とDFをブロックに使い、自身のマークとの距離が取れるようにしています。
上田が合わせにいった位置からシュートは難しいのでボールの軌道を変えてファーサイドに流すことを狙い、そのファーサイドのスペースに⑮鎌田が流れて押し込めるようにしています。
・このセットプレーは……
前半開始直後のCKでした。
ニアを狙っての攻撃という意思統一が出来ていて、「上田に合ってたら…」と思う惜しいシーンでした。
・ボール付近に2人を配置させている
・1人を前線に残している
・ゴール前では5対6
というある種”おいしい”シチュエーションだったため、決めきりたい場面でした。
B.後半3分20秒頃~
・このセットプレーは……
PA内の人数はAと同じ人数でした。
ボールはややニア寄りの中央に蹴られ、唯一ゾーンで守っている選手にクリアされています。
マンマーク中心の守備をしている相手のため、避けたいポイントに蹴ってしまいシュートに至りませんでした。
C.後半4分10秒頃~
・このセットプレーは……
こちらもAとほぼ同じ配置でした。
狙いもAとほぼ同じのニアゴールエリア角のように見えます。
しかし、ニアに走った⑮鎌田のところで合わずすぐ後ろのゾーン守備の選手にクリアされています。
ニアの1人にピンポイントで合わせるのは難しく、そこに合わなかった場合容易にクリアされてしまうので改善が必要だと思いました。
Ⅾ.後半32分10秒頃~
・このセットプレーは……
日本はボール付近の選手が遠くなり、守備側はそこに配置する人数を2人から1人に変えています。
幸いそれにより配置が変わった選手はペナルティアーク付近にいるため、ゴール前の守備人数は増えませんでした。
ボールはこの試合初のファーサイドの④板倉に蹴られ、マークをしていた選手にクリアをされました。
E.後半33分10秒頃~
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・このセットプレーは……
ニアを狙う⑮鎌田の動き出しが気になりました。
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長い距離を移動してニアのスペースを取りに行っているのですが、⑱浅野の後ろを回ったスペースで受けられる可能性は極めて低く、DFはショートカットしての対応が出来ています。
複数人でマークを外しに行くプレーの重要性が感じられるシーンでした。
≪至近距離FKを振り返る≫
・後半17分30秒頃のシーン
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・後半26分15秒頃のシーン
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この2シーンともゴールを大いに期待したシーンでしたが、どちらもゴールは決まりませんでした。
1本目はゴールの上へ行き、もう1本は壁に当たりました。
この距離からのFKは大きく分けて
・壁の横からファーへ
・壁の横からニアへ
・壁の上からニアへ
・壁の下からニアへ
・ずらしてからシュート
の5つの方法でゴールを狙えます。
このシーンでは、
・壁の横からファーへ
→△(壁と離れて1人立っているため)
・壁の横からニアへ
→×(ボールとニアポストを結んだ線より約1人分余らせているため)
・壁の上からニアへ
→○(相当背の高い選手がいない限り防げない)
・壁の下からニアへ
→×(壁のすぐ後ろで1人が寝てブロックしているため)
・ずらしてからシュート
→○(相手に合わせてずらし方など変えられるため、防げない)
だったと思います。
どちらも壁の上から決めることを狙ったキックに見えましたが、オプションとしてボールをずらしてからシュートをする選択肢を持つことがとても大事だと感じました。
特に2本目は2人とも右利きの選手が立っているため、アレンジが必要だったと強く思いました。