Dr_Taka

とある臨床心理学博士によるあなたの日常の心理学。このページのコンセプトは「読むカウンセリング」です。読むことで、カウンセリングのセッションを受けたような、気づきや自己理解の深まり、自己受容や自己肯定感の改善につながるような記事を心がけて書いて参ります。

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最近の記事

ハネムーン期の終わりに耐えられない人達

 以前にもお話しましたが、恋愛には、いくつかのステージがあります。  恋愛、というと、少し語弊があるかもしれません。パートナーシップ、というともっと包括的でしっくりいくかもしれません。  尚、この記事では以下も便宜上「恋愛」という語彙を使いますが、それは私としては「ロマンスの伴うパートナーシップ」とほぼ同義です。  恋多き人生、というとなんだか良い響きですが、1枚のコインには常に裏表があります。  多くの場合、こうした人たちは、恋愛が長続きしないという問題を抱えて生き

    • 泣いている人に寄り添うということ

       育児困難を抱えている方達とお会いする事は多いのですが、よくあるテーマとして、自分の子供が泣いた時の対応が分からなかったり、間違った対応をしてしまっている、というものがあります。  でもこれは小さな子供がいる親たちに限った問題ではなく、世の中、誰か大切な人が泣いている時にうまく対応できない、とにかくしんどい、という方はとてもたくさんいます。  また、誰かが泣いている状況にもよります。  泣いている理由に自分が直接関係ない場合は対応可能だけれど、自分が関わっている場合は無

      • 性格は変えられるのか?

        「性格は変わらない」とか、「性格は生まれつき」とか、「性格だからしょうがない」と言う人をよく見かけます。  後ほど話しますが、これはいずれも不正確なものです。しかし最近は社会的な影響力を持ち、フォロワーの人生相談に携わっているYouTuberの人たちまでこのように言っていたりするので、いささか気掛かりになります。  ただ、これらの主張はデタラメではなく、少なくとも半分は正しいのです。  こうした方達が何気なく使っている「性格」という語彙は、正確には「気質」(temper

        • 失策行為、言い間違えの心理:フロイト的失言

           私がまだ小学校低学年の頃、精神科医であった父が、 時々好んでする話がありました。父は面白そうに言ったものです。 「ある人が、誰かのお葬式に行くとするよね。 それで、遺族の人と会って、『ご愁傷様です』と言うつもりが、『おめでとうございます』と言ってしまう。 なんでだろう」  たぶん不思議そうな顔をしていた私に、満足気に彼は続けました。 「それはね、『おめでとう』と言った人の心の中に、 その人が死んでよかった、っていう気持ちがあるからなんだ。その人は、自分の気持ちに気付い

          自己愛と自己愛性パーソナリティ障害

          【この記事をお読みになる前に】 この記事の目的は、自己愛性パーソナリティや自閉症スペクトラム症といった診断をすることではありません。精神疾患の診断は、精神医療の専門家が、ご本人にお会いして時間を掛けて慎重に行っていくものです。   この記事の目的は、ご本人またはそのご家族やパートナー、お仕事などで深い関わりのある方たちが、当事者意識をもって、こうした精神疾患について理解を深めることで、差別や偏見を超えて、どうにかお互い幸せに共存していくか、それが非現実的であれば、どのように、

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          自己愛と自己愛性パーソナリティ障害

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          トリビアという抵抗

          トリビアという言葉は、以前放送されていた『トリビアの泉』という人気番組の影響で、日本ではよく知られた語彙ですね。 ご存知の方も多いかと思いますが、トリビア(trivia)とは、「つまらないもの、取るに足りないもの、無駄知恵、雑学的知識」を意味する英単語ですが、その語源は、「tri=3, via=道」、つまり「三叉路→「(三叉路のように)どこにでもあるもの」→「ありふれたもの、つまらないもの」という流れがありようですが、これこそがトリビアですね。   さて、このトリビアという

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          トリビアという抵抗

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          カップルの離婚や破局を予測する4大要素とその克服について

          結婚や恋愛関係の改善や修復についての助言は世の中に溢れており、ネット記事や自助本、信頼できる身近な人達からのアドバイスは、多くの場合、「こういう新しい習慣を取り入れたら良くなるかも」「こうしたほうが良い」など、「現状に何か新しいものを取り入れる」という前提があります。 これはいわゆる「欠損モデル」であり、つまり、欠損がその事物の問題なのだから、その欠損を補えば問題は解決する、という前提です。   しかし、「何か新しくて良いものを既存の関係性に加える」ということが常にそのカッ

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          カップルの離婚や破局を予測する4大要素とその克服について

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          セルフ・ハンディキャッピング( 自己ハンディキャッピング、Self-handicapping)

           期限のある仕事、プロジェクト、宿題、試験勉強、課題や論文、イベントの準備などに取り組んでいる人にしばしば見られる問題として、セルフ・ハンディキャッピングという現象があります。 ハンディキャップとは、ご存知のように、「不利な条件」のことで、これは読んで字の如く、自己(自分自身)に不利な条件、つまりハンディキャップを与える、という行為であり、これは多くの場合、ある種の不適応と考えられています。それは、セルフ・ハンディキャッピングが、セルフ・サボタージュのひとつであり、自分自身

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          セルフ・ハンディキャッピング( 自己ハンディキャッピング、Self-handicapping)

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