色を決めていった話
久しぶりにプラモデルを作った。というか塗った。
忙しさの中、準備や後片付けが面倒で、なかなか手を動かせなかったが、いざ動かし始めるとスイスイ進んで楽しい。
楽しかったので、そのメモを書き付けた。
以下、主に色を決めていった話。
作ったのは海洋堂の「ARTPLA ゆるキャン△ カプセル版」の大垣千明と志摩リン。
BOMEさんによる塗装見本はあらかじめウェブやSNSで見ていた。
それはアニメに忠実で、同じことをやっても太刀打ちできないな、と思ったので、色は替えて塗ることにした(ちなみに無闇に対抗意識を持つと損しますね人生)。
最初に部長を塗った。
太腿は厚手のタイツであろうと勝手に思い込んでいたのと、ブーツはHUNTERの長靴みたいに見えたので、そのように色を置いた。濃い茶と艶消しの黒(HUNTERのロゴのつもりで、プラペーパーを四角く刻んだのだが、すぐにどこかに飛んでいってしまった。すでにサイクロン掃除機に吸い込まれている)。
下半身が濃い色になるので、上半身は少し明るめの色を持って来たくなった。これは咄嗟の感覚だった。
彼女のコートがどのようなものか想像がつかなかったので、ポケットがたくさんついているところから、ミリタリーっぽいコートに見立てることにした。だから明るめの緑(オリーブ?)を持ってきた。分からなかったら自由に振る舞ってしまっていいのだ。
コートの下から見えるモコモコした部分は、twitterでKnejiさんからサジェストいただいて解決した(>■)。ここはまるで想像がつかず、アイディアもなかったので助かった。どうもありがとうございました。
彼女は、アニメでは紫っぽいパーソナルカラーをあてがわれていて、それはこのキャラクターのアイデンティティだろうと想像した。だから、髪の毛はアニメに準じて紫とした。
また、明るく元気なイメージもあったのと(このポーズはとてもいいと思っている)、差し色っぽいパッとした色もほしいと思ったので、帽子にその役割を担ってもらうことにした。最初にアイボリーを塗ったが締まらず、紫の反対色である黄色にした。
しまりんも、デニムを履いているという思い込みから始めた。横に縫製のラインもあるので、ストレッチの効いた細身のものだろうと考えた。
なので太腿部分は濃い青にして、ブーツは部長と同じ色になるのを避けるために濃い茶にした(部長のタイツの色)。彼女らはどんなブーツを履くのか想像が膨らまず、安直に決めてしまっている。
結果的に、再び下半身が濃い色になってしまったので、ダウンジャケットには明るめの色を持ってこようと考えた。
ZOZO TOWNのサイトで、ダウンジャケットのコーディネートを眺めたところ、オフホワイトとベージュのツートーンが気になったので、それを採用した。が、2回やってもうまく塗り分けることが出来ずに断念。アイボリーの単色にした。
彼女はパーソナルカラーが青らしく、部長と被るので、髪の毛は黒くし、帽子に紺を置くことにした。
目立ったところがないので、差し色に当たる部分をマフラーに充てようと思った。黄色では部長と同じなので、赤にしたが、選択した赤は少し暗めで、むしろ落ち着いた感じになった。ダウンジャケットの白が目立つ。
太腿はデニムっぽさを出したくて、最後にウェザリングカラーのマルチホワイトを使ってあれこれ試みた。が、拭き取る際にファレホまで落ちてしまって焦った。ここも何度か塗り直している。
やっていくと色々なことが起きて、その都度身につくものがある。
塗料はほぼファレホで、陰影を意識せず、セル画のように塗った。が、筆跡やムラは残った。僕には、塗料の伸ばし具合にもう少し見極めが必要らしい。
最後に、全体にうっすらとウォッシングして、落ち着かせている。
今回、このカラーリングにしたきっかけは、単純に天の邪鬼なだけで、深い意味はない。
プラモデルは自由に作るものだけど、このキャラクターのように、ある適度の認知度があると、それが足枷になることがある。イメージが固まっている中で、それを逸脱することは勇気がいるし、少し面倒でもある。
が、そのキャラクターがこの色を選ぶだろうかという勝手な思い込みから、これでよしとする独自の二次創作を頭の中から捻り出すことは、得も言えず楽しい。
そして、自由さはこういうところでその力を発揮してくるように思う。躊躇なくそれがすぐに出てくるようにしておきたい。
この「ARTPLA ゆるキャン△ カプセル版」シリーズは、合わせ目に大きなラインが出るので、パテで埋めた。またパーティングラインも出ているので消しているが、成形色の関係でとても見えづらく、少し残った。
両方とも、顔と帽子と髪の毛の合いの調整が必要だったのと、部長の眼鏡もドライヤーで温めて形を整えた。