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【海外移住ガイド:ヨーロッパ編】イタリア

さて今回はイタリアへの移住に関する情報です。私の住むマルタからはとても近く、1-2時間程度のフライトで気軽に訪問できるため何度も訪れています。食べ物も美味しく陽気な人々が暮らすイタリア。果たして日本人は移住しやすいのでしょうか?調査結果を見ていきましょう!


1. 特徴

イタリアは温暖な地中海性気候の地域が多く、歴史ある街並みと美しい自然に囲まれています。公用語はイタリア語ですが、大都市や観光地では英語もある程度通じます。治安は比較的良好ですが、観光地ではスリに注意が必要です。日本人は90日以内の観光滞在ならビザが不要で、長期移住向けにはさまざまなビザ制度があります。現地の人々は陽気で親切で、食文化(ピザやパスタなど)や芸術を日常的に楽しめます。なんだか時間の流れがゆったりしていて人との触れ合いを大切にするライフスタイルが魅力。日本の忙しさから離れて充実した生活を送りやすい、そんな国という印象です。

2. ビザ・滞在許可の一覧(取得しやすい順)

※ノマドビザも制度としてスタートしていますが、実質的な受付体制は未だ整備の途中のようなので除外しています。

3. 主要都市 vs 東京の生活費比較(表形式)


4. フリーランスリモートワーカーの働きやすさ

イタリアはフリーランスのリモートワーカーにとって魅力的な点と課題があります。大都市では光ファイバーなどインターネット環境が整備されており、カフェやコワーキングスペースも充実しています。ただし手続き面では、ノマド向けビザ制度が2022年に法整備され(年収約€28,000以上など条件あり)比較的新しいため、実際の申請受付体制が整うまで時間がかかっています。一方、税制は所得に応じ累進課税で最高税率が約43%と高めですが、南部移住者向け減税措置など優遇制度もあります。英語だけでもIT業界などでは仕事可能ですが、日常生活ではイタリア語力があるとよりスムーズです。総じて、豊かな生活環境とコミュニティの中で自由に働ける反面、ビザ取得や税務のハードルには注意が必要です。ノマドビザの本格運用に期待したいですね!

5. 起業のしやすさ

イタリアでの起業は情熱次第で可能ですが、手続きはやや複雑です。有限会社(SRL)は最低資本金1ユーロから設立できますが、公証人を通した定款作成など事務手続きに時間と費用がかかります​。行政手続きはオンライン化も進んでいますが、税務署や商工会議所での登録作業など官僚的なプロセスは根気が必要です。一方でスタートアップ支援もあり、革新的企業に認定されれば最初5年間の法人税免除やビザ優遇を受けられる制度も存在します。また南部地域で事業を興す場合、補助金や税控除など優遇措置があります。社会保険料は従業員雇用時に高めですが、公的医療や年金制度が整っているメリットもあります。まとめると、起業そのものは可能で魅力も多いものの、書類準備や当局とのやり取りに忍耐強く対処する姿勢が求められます。

6. 日本からの移住メリット

イタリアへの移住には多くのメリットがあります。まず言語面では、英語が通じる観光地や国際都市もあり、日本人にとってゼロからのコミュニケーションも比較的取り組みやすいです(もちろん現地語を覚えれば更に生活が豊かになります)。治安は良好で、家族で安心して暮らせる環境です。税制面では、日本に比べ消費税(付加価値税=VAT)は少し高いものの、地方在住者向け減税など移住者に有利な制度もあります。気候は日本より温暖で過ごしやすく、冬でも穏やかな地域が多いです。生活の質も高く、歴史ある街で美術や音楽を身近に楽しめ、食事も外食・自炊問わず美味しく充実しています。在宅ワークをするにもカフェ文化が根付いており快適。総じてワークライフバランスを見直しつつ豊かな暮らしを求める方にはイタリア移住は大いにおすすめできます。

7. 教育環境

イタリアの教育環境は多様な選択肢があります。公立校は原則無料で、小中高校と年齢に応じた課程が整備されており、教育水準は地域によってばらつきがあるものの概ね良好です。ただ授業はイタリア語となるため、日本人の子どもが現地校に通う場合、言語習得のサポートが必要です。一方、主要都市にはインターナショナルスクールが複数あり、英語やフランス語などで授業を行う学校を選ぶこともできます(例:ローマのセント・スティーブンス校など)。日本語教育に関しては、ミラノとローマに日本人補習校があり、現地校に通いながら土曜日に日本の国語や数学を学ぶことも可能です​。大学教育ではボローニャ大学など世界最古の大学を含む質の高い高等教育機関が揃い、近年は英語で学位取得できるコースも増えています。総じて、多文化環境で子供が成長できる土壌があり、日本語維持のフォローも一部で受けられる状況です。

8. 日本人にとっての生活のしやすさ

イタリアでの生活は、日本人にとってワクワクする経験が多い一方、いくつか慣れが必要な点もあります。言語はイタリア語が中心ですが、観光業に携わる人々や若者は英語を解するため、英語ができれば日常生活の基本的な部分は乗り切れます(とはいえ長期的にはイタリア語習得がおすすめです)。食文化は豊かで、日本人の口に合うシンプルな味付けの料理も多く、パスタやリゾット、ジェラートなど美味しく楽しめます。日本食材は大都市のアジア食品店や市場で醤油・味噌・豆腐など入手可能で、ミラノやローマには日本食レストランも存在します。治安は日本ほどではないものの欧州では安全な方で、夜間の一人歩きも人通りがある場所なら比較的安心です。日本人コミュニティも現地の日本企業駐在員や留学生を中心に一定規模があり、交流会や祭りイベントが開催されることもあります。総じて、日本人にとって暮らしやすく、文化の違いも前向きに楽しめる環境と言えるでしょう。

9. 永住権の取得条件

イタリアの永住権(長期居住許可、EU長期滞在許可)の取得には主に5年間の継続滞在が必要です​。この5年は就労ビザや家族滞在など、有効な滞在許可で途切れなく滞在する必要があります。加えて、安定した収入があることを証明する必要があります(一般に年収約€8,500以上が目安とされ、扶養家族がいればその分加算)。住居も継続して確保していることが条件で、賃貸契約書や住民登録証明などで証明します。また、基本的なイタリア語能力の証明が求められ、通常A2レベルの語学試験に合格するか、それに相当する証明書が必要です​。犯罪歴がないことも当然審査対象となります。これらの条件を満たして申請し許可されれば、無期限にイタリアに滞在・就労できる永住許可が取得できます(定期的な更新手続きはありますが、条件を大きく満たし続ける限り更新が認められます)。

10. 移住のGood PointとBad Point(各3つ)

Good Point 

  • 豊かな食文化と暮らし:毎日のように美味しいイタリア料理が楽しめ、食材も新鮮で安価です。ワインやエスプレッソを嗜みつつ、スローライフを満喫できます。

  • 人がフレンドリー:陽気で親切な人が多く、挨拶や世間話など温かな人間関係を築きやすいです。ご近所づきあいや市場での会話も楽しめます。

  • 歴史と芸術の宝庫:週末にふらっと美術館や遺跡巡りができる環境で、ヨーロッパ旅行も簡単です。文化的刺激が日常に溢れ、創造性が刺激されます。

Bad Point 

  • 官僚手続きの煩雑さ:役所での手続きや書類主義には根気が要ります。予約制の役所対応や待ち時間の長さなど、日本の効率になれた身にはストレスになることも。

  • 言語の壁:イタリア語習得には時間がかかります。英語が通じない場面も地方に行くと多く、言葉のハードルは移住当初の試練です。

  • 経済・雇用状況:失業率が高めの地域もあり、現地で職探しをする場合は競争が激しいです。特に若者の雇用が不安定な側面があり、堅実な仕事探しに時間を要することもあります。


ということで、今回はイタリアを移住先候補として調べてみました。やはり言語の壁はありますが、歴史的・文化的な建築の数々、暖かい気候、陽気な人々と、住みやすさでは非常に有力な候補であることは間違いないでしょう。
これを機会にイタリア語も勉強してみようかな、、、と思ったあなたは既に移住の第一歩を踏み出したと言えますね!私も頑張ろうと思います!