Battery356

バッテリースペシャリスト

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最近の記事

EVのリーディングカンパニーはバッテリードリブン

最近BYDの勢いが止まらない。テスラを抜いてEV世界一となったBuild Your Dreams、中国BYD。 何と言ってもその要因はブレードバッテリー、即ちバフェットが投資し続けた安価なLFP正極バッテリーである。 LFPバッテリーは性能は三元系に比べると7掛けだが、価格も7掛けで安くなる。年々バッテリーの搭載量が多くなるBEVではセル価格の差が大きい。 そして中国の補助金政策によって調整係数の傾斜配分と目標設定の妙から、電池パックでみた場合にはLFPは三元系を上回る

    • 電池製造の哲学

      生来からの悪癖を発揮して、予定したリチウムイオン電池の正極材料史を書くのを一旦変更。 閑話休題で取り上げたシモンドンの「個体化の哲学」から「電池製造の哲学」と名付けたテーマで暫く書いていこうと思います。 まずなぜ電池製造を取り上げたのかの理由について。 電池機構はヨーロッパ発祥でボルタやルクランシェなどの名前を聞いたことがあるかもしれませんが、最近では東アジアが電池製造の中心となっており、欧州はいわば電池製造不毛の地となっています。これはなぜなのか。 ユク・ホイの技術

      • 正極材料のはなし(外部ブログ記事の紹介)

        はてなブログに、こんな記事を見付けました。 水島さんが炉を借りて正極材料を作らなければならなくなり、作りにくい硫化物から酸化物に変えたため LCOとLNOに辿り着いたのは知りませんでした。 借りなければならなくなったのはグッドイナフ研の炉を爆発させたからという理由w

        • (閑話休題)全固体電池の”個体化”問題

          こんにちはBattery356です。前回の投稿でリチウムイオン電池の正極材の歴史を紐解くと宣言しましたが、いきなり各論に入るのもということで、今回は全固体電池の”個体化”問題について書いてみます。 全固体電池の”個体化”問題とは、初期ドゥルーズが「個体化 individuation」として掲げた概念※ではありません。なぜか”個体”と変換されたまま全個体電池と記載されるネット空間上の現象です。 コーパスで分析した訳でも、統計的に調べた訳でも無いですが、ネット上には多くの「全

          リチウムイオン電池の正極材料の変遷

          初のNote投稿で若干緊張しております。Battery356と申します。 最近リチウムイオン電池(以下、LiB)界隈が喧しいですが、CATLやPanasonicといった名前は聞いたことが有っても、LiBの最新技術の何が凄くてどこが画期的なのか分かりづらい分野なのではないかと思います。 かの発明王エジソンは二コラ・テスラと直交電流戦争を繰り広げましたが、電池についてこんなことを書き記しています。 The storage battery is, in my opinion,

          リチウムイオン電池の正極材料の変遷

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          今までこちらでコメントしてきましたが、そろそろ拾い上げるのでは無くTopicを自ら絞り込んで発信していきたいと思いNoteを使っていこうと思います。最初のトピックは、故Dr. Goodenoughの発明した電池(仮)w https://newspicks.com/user/2415661

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