見出し画像

かぼちゃを頼んでグッとくる。


友人が目の前でかぼちゃと豚バラの煮物を食べていた。東京ステーションギャラリーの展示を見にいく前に有楽町で昼飯を食べることにし、友人はかぼちゃと豚バラの煮物定食を頼んだ。美味しそう。

以前付き合っていた人は「芋栗南瓜は子どもの食べ物」と馬鹿にする人だった。そこまで深い意図はない軽口だったと思うし、自分も笑って流していた。大して気にしちゃいないけど、日常の些細なことだからこそ頻繁に思い出す。かぼちゃは甘くてスイーツとおかずの境界にいるような存在で、それを二刀流でポテンシャルが高いと感じる人もいれば、お菓子にしては味気なく、おかずにしては甘すぎてご飯のお供にはなり得ないと感じる人がいることは、まあわかる。口の中に残るペースト感が苦手な人がいることも、まあわかる。好きな食べ物は何と聞かれて咄嗟に出るほどでは無いけれど、自分で買って煮付けやサラダを作るくらいには自分はかぼちゃが好きだ。北国の甘い料理文化で育ったせいか、甘い味付けを忌避する思考を持ち合わせていない。レンジでチンしてマヨネーズとからしと和えるかぼちゃのサラダをよく作る。ほんのり甘いけれど自分にとっては間違う事なき副菜の一つで、タッパに入れて冷蔵庫に常備していると少し嬉しい。

昼飯で入ったその店には唐揚げや鯖の味噌煮など魅力的な定食がたくさん揃っていた。その中でかぼちゃと豚バラの煮物定食を頼んだ友人に、滋味深い信頼感を抱かずにはいられなかったんである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?