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「教員にならなかった理由」を岐阜県が調査した
※以前別ブログでまとめていたものになります。
先日、岐阜県教委が県内としては初となる「教職(学校教員の職)魅力化に関する大学生調査」を行いました。
これは県内の教員養成課程の大学4年生を対象に「教員を選んだ理由」「教員にならなかった理由」を調査するというもの。
元の調査はこちら
それぞれの進路が決まっている4年生の3月に調査しており、
教員になる人には「なぜ教員になったのか?」
教員にならずに別の進路へ進んだ人には「なぜ教員にならなかったか?」
ということを尋ねたわけですね。
シンプルだけど意外とこういう調査は少なかったかも。
教員を選んだ理由
教員に春からなる人に「教員を選んだ理由」を尋ねた結果、
・児童生徒と関わるのが好き
・自分の取得する免許の教科が好き
・安定した仕事
上位に来ております。
他にも、「教育実習での体験」「理想の教師に出会ったから」「様々な問題を抱えた児童生徒を支えたい」などもかなり高い割合になっています。
と、こちらは予想通りといった感じでしょうか。多くの人が「教員になりたい理由」や「志望動機」で挙げるようなことな気がします。
子どもと関わったり、授業をしたり、教員の職務内容そのものに魅力を感じてるって感じですね。
教員にならなかった理由
対して、教員にならなかった人は何を理由にならなかったのでしょうか?
最多の回答は
・他にやりたい仕事が見つかったから
でした。まあ、「教員をやりたくない」だけで別の職に行くことは考えにくいので当然な気もします。
その次に多かった回答は
・休日出勤や長時間労働のイメージがあるから
・職務に対して待遇(給与等)が十分でないから
でした。やっぱり大学時点で教員をやめてしまう人は、現状の労働環境に納得できてないみたいですね。
教員が増えないのって…。
調査の内容はここでは以上にして、ここから感じたことを書きます。
やはり、教員にならない人は長時間労働などの労働環境に不満があるのでしょう。
「教員にならなかった理由」としての最多は「他にやりたい仕事が見つかったから」ですが、
教員の労働環境に不満がある→他の職を探す→より労働環境もよく、自分がやりたいと思った職が見つかった
という流れも十分に考えられます。
つまり、教員には「教員を選んだ理由」にもあるように「児童生徒と関わる」「さまざまな問題を抱えた児童生徒を支える」などの魅力がある仕事な一方で、
長時間労働などの問題点もあるわけです。
…言ってしまえば当たり前なのですが、ここから考えたいのが「なぜさまざまな策が空振り教員が増えないか?」ということ。
僕の現時点での結論は
「教員が好きな人がメインで議論してるから」
先述したように教員に魅力があるのは間違いないでしょう。そこがアクセルとなり、教員になりたいと思う人もたくさんいます。しかし、長時間労働などの問題がブレーキとなり、ブレーキの方が大きくなった人が「教員にならない」という結論を出しているのではないでしょうか。
現在教員を増やすために「魅力を発信する」といった行為が多く行われています。現役大学生だけでなく、ついには中高校生にもそのようなことをするといった自治体も出始めています。
しかし、「教員を選んだ理由」からもわかるように教員の魅力が確実に既に伝わっているのです。
「教員にならなかった人」が魅力を知らなかったとは考えにくいでしょう。
教員を増やすために議論をする人の多くは、元教員の方などでしょう。彼らは教員が好きで魅力があるからなったのだと思います。つまり「ブレーキよりもアクセルが勝った人」達です。
この「ブレーキよりもアクセルが勝った人」に「アクセルよりもブレーキが勝った人」の気持ちに立って議論ができるのでしょうか?
少なくとも、「ブレーキが勝った人」の気持ちに立てていれば教員不足解消のためにやることが、「魅力発信」ということにはならないと僕は思っています。
今回の調査のように「教員にならなかった人」の声を聞くこと教員不足解消のために非常に重要なことだと思います
「議論や対話をしているときに、今自分は誰の意見を聞けていないかを考える」
労働環境が改善され、「教員をやりたいけど労働環境が劣悪だから諦める」という人が減っていきますように。。