女性が活躍する社会へ
今回、東京オリンピックは、開催の賛成・反対の声があがるなか、無観客開催という異例な形式で行われたが、結果的に日本選手が大活躍し、過去最多の金メダルをとり、多くの子供たちに夢と感動を与えたので、私個人としては、オリンピックをやってよかったと思っている。
ただし、オリンピックの利権構造も浮き彫りとなった。IOC(国際オリンピック委員会)は仮にオリンピック中止となった場合、米放送局NBCに対して、4,400億円の放映権料を返金しなければいけない。莫大な放映権料を手に入れるため、オリンピック開催を強行するかたちとなった。
また、東京オリンピックの競技の日本人選手の活躍が目覚ましかった一方、開会式・閉会式の出来が酷かったという声が多い。閉会式では、次回開催のフランスの演出が素晴らしかったのと比べると、日本の演出は学芸会レベルでとても恥ずかしいものであった。
ただし、以前、藤原和博氏から、開会式で唯一、評価できる点があったと聞いた。
開会式で最も記憶に残ったのが、国歌斉唱を歌った女性歌手のMISIAさんと、世界的なジャズピアニストの上原ひろみさん、最終聖火ランナーに選ばれた世界的テニスプレーヤーの大坂なおみさんである。
いずれも女性である。これは、今後、日本で女性が活躍する時代に入ったことを予感させるものである、と藤原氏は分析した。
私も、同じく、これからは女性が活躍するだろうと思う。いま、女性の幹部や起業家が増えているのを実感する。女性は共感力がありコミュニケーション力も高いので、いろいろなところで潜在能力が高いと感じている。そのうち、日本で初の女性首相が誕生することになるかもしれない。
これから、大変なのは男性の方である。いままで、企業や官公庁などで男性社会が形成されてきた。しかし、既存の秩序が崩壊していく中、柔軟性に欠ける会社人間型の男性の居場所がなくなりつつある。これからは、男性の意識改革がキーとなりそうだ。