【中薬を故事で学ぶ】 枸杞と打老儿丸の故事 〜完全栄養食〜
打老儿丸(だらぁがん:日本語では、だろうがんと読むのかな?)の話は北宋の王怀隐の『太平聖惠方』に記録されています。名前は少し変ですが、面白い話です。
ある日、一人の官吏が銀川での公務で山村を通りかかると、若い女性が棒で老人を追い回しているのを目にしました。
老人は白髪で、抵抗することなく、うずくまっていました。その官吏は気になり、なぜ老人を叩くのかと尋ねました。
どころが、その若い女性の話を聞いて、驚愕しました。
なんと、その「若い女性」はすでに百歳を超えており、追い回されている老人は彼女よりずっと年下の親族でした。
この女性は家伝の秘薬を長年服用し、若さを保っていたのですが、その親族は彼女に従わず、家伝の秘薬を拒否したため、56歳で早くも老衰し、白髪になっていたのです。
この話を聞いて、官吏は老人への関心から女性の健康法に興味が移りました。彼女に何の秘薬を服用しているのか質問しました。
官吏の追及により、女性は家伝の秘方を公開しました。
それは毎日枸杞を食べることでした。
彼女は、春には枸杞の苗を、夏には茎を、秋には実を、冬には根皮を食べていました。
その後、人々は彼女が教えてくれた枸杞の苗、茎、実、根皮を集めました。
そして、それらをすべて一緒にして薬丸にしました。
服用すると確かな効果があり、人々は健康になりました。
そしてこの薬丸に「神仙訓老丸」という名前をつけました。
その後、この薬丸は大評判となりました。
漢代の華佗は元の配方に基づいて改良し、壮陽滋陰の効果を強調し「仙姑打老儿丸」と名付けました。
その後、この薬の伝説が宮廷に広まり、皇帝や皇族の御用薬となりました。
※仙姑打老儿:女の仙人が老人を叩く
※李時珍の『本草綱目』の「保寿堂方」には地仙丹方が記載されていますが、これは「神仙訓老丸」と似ています。「春には枸杞の葉を天精草として、夏には花を長生草として、秋には枸杞の実を枸杞子として、冬には根を地骨皮として、これらを乾燥させ、米酢に一晩浸して49日間外気に晒して乾燥させ、粉末にして蜜で丸薬を作る。毎朝夕に一丸ずつ、細かく噛んで一晩沸騰させた湯で服用する。」とあります。
おしまい
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