【中薬を故事で学ぶ】 山楂の故事 〜継母の陰謀〜
昔、山里に住む一家がありました。この家族は山の斜面で畑を耕して暮らしていました。家には二人の子供がいました。長男は前妻の子で、次男は継母が産んだ子です。継母は長男を目の敵にし、自分の息子に遺産を独り占めさせようと、日々、長男を密かに殺害する方法を考えていました。
ある日、父親が商売のために外出することになりました。父親は息子に継母の言うことを聞くようにと言い残しました。父親が出かけると、継母はすぐに長男に言いました。
継母:「家の仕事がたくさんあるから手伝いなさい!」
長男:「何を手伝えばいいの?」
継母:「あなたは若くて元気だから、山で作物の世話をしなさい。お昼ご飯は用意しておくからね。」
その日から、長男は毎日、風の日も雨の日も山へ行き、作物の世話をさせられました。残酷な継母は毎日、わざと生煮えのご飯を持たせました。長男はとうとう胃病を患ってしまいました。彼のお腹は痛み、時に膨満し、体は目に見えて痩せていきました。
長男は継母に言いました。
長男:「お母さん。この生煮えのご飯を食べると、お腹がすごく痛くなるんだ!」
継母はすぐに彼を罵倒しました。
継母:「ちょっと手伝っているからってご飯に文句を言うなんて!ふん!食べ物はこれしかないんだからね。食べたくなければ好きにしな!」
長男は口を閉ざし、山で泣くしかありませんでした。ふと周りを見ると、山にはたくさんの野生の山楂(さんざし)が生えていました。長男はいくつかの山楂を食べてみました。すると、空腹が満たされるだけでなく、喉の渇きも潤されたのです。
そこで、長男は山楂を毎日食べるようになりました。驚くことに、毎日食べ続けると、お腹の膨満感は消え、胃痛も無くなり、何を食べても消化ができるようになりました。その様子を見て継母は不思議に思いました。
継母:「どうして死なない?死ぬどころか、逆に肉付きが良くなってきた。もしかして、神様が長男を守っているとでもいうの!?」
恐ろしくなった継母は邪心を捨て、長男を殺害することをやめました。
しばらくして、父親が帰ってきました。長男は父にこれまでの一部始終を話しました。商売をしている父親はすぐに山楂には薬効があると確信し、それを使って薬を作り、病人に売り始めました。こうして、山楂が脾胃を強化し、消化を助ける効果があることが明らかになったのです。
おしまい
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